tender nurture

「トゥインクルトゥインクルリトルスター♪」

 学校の帰り道、優也をお泊りに誘ってみた。思いがけずすぐに頷かれてびっくりしたけど、嬉しかったからそのまま抱っこしてお持ち帰り。
 雅に伝言したから、子ウサギちゃんにちゃんと伝わるだろーし。

「ゆーや、はい、ジュースだよー」
「ありがとー!ゆきなにぃちゃんっ」

 音楽の授業で歌ったのか、きらきらぼしの英語版を歌いながらテレビを見ていた優也に、オレンジジュースを渡す。嬉しそうに笑う優也に煽られた。間違えた。癒された。

「ゆーや、その歌……授業でやったの?」
「うん!あのね、えっと……ら、らいげつ?にね、じゅぎょーさんかんがあるの。でね、みんなで歌うんだよっ」
「そっかー」

 優也の隣に座りながら尋ねると、にっこりと笑いながら優也が膝の上にのってきた。優也が部屋にくる時は毎回抱っこしてるからか、段々と自分から抱きついてくれるようになった。ちなみに向かい合わせに座るから、可愛い顔がたっぷり堪能できる。
 にやける口元を耐えながら、腕を腰に回して抱き寄せるけど、コップが邪魔をしてひっつく事はできない。

「ゆーや、コップ置いてー?ぎゅーってできないー」
「う?ま、まって?」

 コクコクと喉を鳴らしてジュースを飲むと、手を伸ばしてテーブルに置いた。
 そのままその手を俺の背中にまわる。腰に回していた腕に力をいれて、ぴったり密着するとすりすりと優也が擦り寄ってきた。

「かわいー。ゆーや、ちゅーしてもい?」
「ちゅー?」

 かわいーかわいー。めちゃくちゃ可愛い。唇を尖らせて「ちゅー?」だって。可愛い。

「えへ、いいよ。あのね、ゆきにぃちゃんのちゅーね、ぼく好きなの。ぽかぽかして、きゅーってするの」

 ぽやん、とした表情で笑う優也にとくん、と体が熱くなる。
 訂正。めちゃくちゃどころじゃない、マジで可愛い。食べたい。

「ゆーや、ちゅーする時はどうするんだっけ?」
「んと、えと……」

 優也はちょっと考えた後、顔をあげたままきゅ、と目を瞑った。うわー、アレだね。アレ。すっごくこの図が卑猥。
 いつもは元気いっぱいでそんなまったく雰囲気はないんだけど、こーいう時は幼いのにすごく色気がある。
 やばいなぁ。どんどん落ちていく。

「ゆーや、可愛い……」

 ふっくらとした唇に、自分の唇を重ねるとやんわりとした弾力に思わず吸い付く。
 余裕なんてもとからない。優也に対しては最初から全力で向かってる。ホント、俺って変わったと思う。

「ん、んン……、」

 唇を擦り合わせて、感触を味わう。漏れる甘い声が半身に直撃する。やばい。
 優也とは何回かキスをしたことがあるけど、いつまで経っても慣れない。もう少しスマートにいきたいけど、どうしても優也が相手になると上手くいかない。

「はっ、優也……」
「んむ……、ん、ゆきなにぃちゃ……」

 きゅ、と服を握られる。震えるその手に自分の手を重ねて指をからめた。握り返された手が嬉しい。返される名前が嬉しい。
 キスを繰り返しながら、腰に回していた手を移動させて尻へと触れる。優也はキスにとろけて気付かない。撫で回して柔らかさを確かめてから、短パンからのびる太ももへ。

「ん、んっ……や、」

 さすがにソレには気付いたのか、ぺしぺしと太ももに触れた手を叩かれた。けど、キスの余韻か叩く手に力はない。それを幸いと優也の太ももを撫でまわす。
 はっきり言って、優也の肌は気持ちいい。子供体温と相まって、さらさらな肌の感じが絶品だ。

「や、ゆきにぃちゃ……っ、ン」
「もう少しだけ触らして……?ね?」

 唇をふさいで言葉をさえぎった。太ももを撫でながら、唇を擦り合わせて時々優也の唇の合わせ目を舌先でなぞる。そうすると、つられたように優也も舌を伸ばす時があるから。
 そしたらもちろん絡めるドロドロにする。……呼吸困難になった優也に怒られけど。怒り方も可愛い。むぅ、ってほっぺた膨らまして唇尖らせて、なんかもうベッドインしたいくらい。

「っ、ぷはっ!」
「……優也、ちゅー、気持ちよかった?」

 太ももを堪能した後、ゆっくり唇を離す。大きく呼吸したあと、こくんと頷いて優也は力が抜けたように寄り掛かってきた。

「……きもちよかった」
「ふふ、そっかー」

 はふはふと息をしながら、顔を真っ赤に染めて恥ずかしそうにする優也は可愛い。ぎゅ、ってしがみつく手も快楽に浸る表情も。
 全部可愛い。

「もっかいする?」
「……んと、足、なでない?」
「えー」
「じゃ、しない!」

 それはいや。

「むぅ……じゃあ、足撫でない」
「やくそくね?やぶったら、んと、けいにぃととしにぃに言うからねっ!」
「う……」

 睨んでるのに怖くない。それどころか可愛い。さっきのキスで目は涙で潤んでるし、唇も赤く膨れてる。
 可愛い。可愛い。ああもうなんでそんなに可愛いんわけ?

「うん、約束する」
「じゃ、じゃあ、もういっかいだけ、だよ?」
「ふふ、ソレは約束できないなー☆」
「ゆきに……んむ、ンンッ!」

 腰に手を回して唇を塞いで吸って、ゆーやの思考を溶かす。何も考えられないようぐちゃぐちゃに。
 幼い子供だからか、ゆーやは快楽に弱い。キス一つでふにゃふにゃになる。
可愛いけど、おにーさん心配だよー?

「ん、は……ぅ、ゆきにぃちゃ……」

 ――うん、とりあえず目の前の優也に全力出そうかなー?

end

[←前へ 戻る 次へ→]


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -