▼ 大好きです!言葉と態度で伝えます
ざわざわと騒がしい平日の食堂。俺はある人物を探してウロウロしていた。
目立つ金髪がどこにもない。どうしようか。先に食べたらきっと落ち込むから、昼食の時間が終わるまでには探し出さないといけない。
「……んー?」
いつもならこの時間帯にはいるはずなんだけど。
おかしいな、と首を傾げていると「観月さん!」と慌てた声をかけられた。
「こんなトコにいたんですか!奈鶴様がお呼びです。早く視聴覚室へ今すぐ行ってください!」
ぎゅうぎゅうと背中を押されながら、食堂の出入り口へ向かう。よく話がわからなくて、押されるままに足を進めながら背後の彼を見る。ふわふわの茶の髪に、大きな目。可愛い顔をした見覚えのある少年。
「三嶋くん。奈鶴くんは視聴覚室にいるの?」
「ええ。早く行ってください。……今の奈鶴様は僕たちじゃ手に負えません」
「??」
早く早くと急かされながら、俺は食堂から出た。その間際ちらりとでっかいもじゃもじゃしたのが視界の端に映ったけど、三嶋くんに追い立てられてちゃんと見れなかった。まぁどうでも良いけど。
「あー、やっときたぁ」
「奈鶴くん」
視聴覚室に入ると、窓際の席に奈鶴くんがいた。三嶋くんは俺が中に入ると、奈鶴くんに頭を下げて出て行ってしまう。