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「俊也、何度言ったらわかる」
「むり、無理です無理ーっっ!!」
真っ赤な総長と真っ青な俊也くん。ふふ、たぁのしいなっ!
一人掛けの椅子に二人で座るできたてバカップルなお二人さんを、カウンターに座りながら眺める。口元がにやけるのはしょうがない。だって楽しいんだもん。
「雪菜、たのし、そう」
「わかる?だって総長だよ?あの鬼とか悪魔とか呼ばれた総長がちびっ子に……ぷっ……あはははっ☆」
隣でぼんやり顔の雅の背をバシバシ叩く。痛そうに眉間に皺が寄ってるけど……まぁ気にしない。
つかそんな事より、あの総長の顔!びびられてるのが分かってるのか……顔に出てないけどめちゃくちゃ焦ってんの。あは、笑えるしー。
「おら、もう一回」
「無理ですって!ホント無理っす!」
二人して何を言い争ってるかと言えば、まぁ、しょーもない事なんだけど。
「なんで雪と雅を呼び捨てに出来て俺には出来ねぇわけ?」
「呼び捨てにしてません!あだ名です!」
「あ?同じもんだろ」
「全然意味合いが違いますっ!」
とまぁ、呼び方について。俺と雅はそれぞれゆっきーとみぃちゃんって呼ばしてる。強制はしてないよ?お願いしただ、け。
まぁ、さすがに総長の呼び捨ては出来ないみたいだけどねっ!
「俊也くんは平凡だけど、中身がかぁわいいよねん」
「……雪菜、怒られる」
総長に?今の総長は怖くないですよー?へたれ。そう、今の総長はへたれっ!
俊也くんがいる限り、総長はへ、た、れ☆
「うふふー」
「……雪菜、気持ち悪い」
「黙れ。沈ますぞ」
「……っ!」
「あ、俊也くんじゃないよー?安心してー?」
思わず出した低い声にわかりやすい程びくぅっ!と反応した俊也くんに、にっこりと笑いかける。
びびりんだね、俊也くん。ウサギさんみたいで可愛いね。ふふ、やだな総長睨まないでー?
「総長、そんな顔してるとー。俊也ウサギちゃんが真っ青だよん?」
「あ?」
「んな事ないです!葛城さ「ゆっきー」……ゆっきー何言ってんですか!」
面白いなぁ。ウサギさんについては何も突っ込み無しなんだね二人とも。
「俊也くんは萌えだね」
「……は?」
うん、ぽかんとした表情も間抜けで可愛いね。総長がへたれてるうちに俺が貰っちゃおうかなー、なんて嘘。総長、そんなおっかない顔で睨まないでよ。
「雪……」
「はいはーい」
とりませんとも。今んトコ俊也くんは俺の中でかわゆい弟くんだしー?愛でる対象だねっ!だから今は心配しなくても平気よ?後々どうなるかはわからないけどねー。
「ふふ」
「雪菜、……笑いかたが気持ち悪い」
「黙れ」
ま、今は良いお兄さんで十分、かな?
end