始まりは校舎裏

 五十嵐 周(いがらしあまね)、少し面食いな青春真っ只中な高校二年生。そんな俺は、名門と名高い高見ノ里男子高等学校に通っています。なぜに男子ばっかりな花のない学校を受験したかというと、代々、家の男子はこの学校に通うという意味不明な伝統のせいなわけで。
 面倒臭いながらも通い続けて早二年。やっと諦めもついてきた。
 しかし、未だに慣れないのは同室になった妃 弥生(きさきやよい)。
 コレが少しわからないやつで、入寮の際に顔を合わせた以来部屋に籠もりっぱなしというわけではないけど会わない。
 朝はどんな時間に出ようと妃の部屋の扉は開かない。学校には登校しているらしく、帰れば靴はない。だいたい風呂に入っている時間帯に帰宅してくるようで、全くと言っていい程に顔を合わせないんだよね。
 どんな生活を送っているのか、さっぱりなわけ。
 俺が知ってる事と言えば、顔が整った和風美人で、大きめな親衛隊がある。そしてなぜかごつい奴ばかりでなく、ちまっこくて見た目だけは可愛い野郎にも人気があることだけだし。
 その他は不明。一年と少しを同室者として過ごしているが、コレだけしか知らない。これが普通なのか?

 そんな風に同室者とのコミュニケーションを諦めていたはずなのに。
 こんな場面に合うってどういうことなんですかね。

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