明日晴れるかな | ナノ


もしも別の世界へ行ける方法があるのならば、私はこの世界を捨てて別の世界へと行くだろう。
もしその世界が私の思うような世界じゃなくても、何かが変わるなら、こんな世界、いくらでも捨ててやる。
そんなことを思うのが今日この頃。

だが、そんなのはどうしたってただの夢物語。
ここは漫画の世界じゃない。
どれだけ目を瞑っても同じ景色しか見えない。
所詮は絵空事なんだ。
そう思いながら携帯の画面を開き、新着メールを開いた。


「なに、これ」


"異世界アンケート
ただいま、××社では異世界に対するアンケートを実施しています。
簡単な質問ですのでよければご回答下さい。"

まるで私の思考回路を写し出したようなふざけたメールだった。
だけど、なぜか私はそのアンケートが気になって仕方がない。
まぁタイミングがタイミングだ。
あんなことを考えていたら、受けてみたくもなるだろう。
そんな言い訳を自分に言い聞かせ私はアンケートに答えることにした。


1.お名前を入力してください。(HN可)
苗字 名前
2.あなたは異世界へ行きたいと思いますか。
はい
3.それは何故ですか。
なんとなく
4.でははいと答えた方、もし行くとするならばどんな世界がいいですか。
今の私の世界と正反対の世界
5.最後までお付き合いいただきありがとうございました。なにか一言あればどうぞ。


「馬鹿みたい」


なんていいながら、送信ボタンを押した私は本当に馬鹿だと思う。
と、何故か瞼が重くなってきた。
今はまだ、外は明るいのに、こんな急に眠たくなるなんて。


―――おめでとうございます。
あなたが選ばれました。


どこか遠くでそう聞こえ、私の意識は完全に闇に落ちていった。



さようなら
(もう会うことはないでしょう)

 


 

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