明日晴れるかな | ナノ


(奥村燐視点)


任務だと言われ、メッフィーランドでそれぞれ二人一組に別れたけど、なんでしえみとなんだよ。
あ、いや、しえみとでも嬉しいし、今度ここに来る約束出来たし、別にいいんだけどよ、でもよ、雪男は俺が、その…苗字のこと、す、好きだって知ってるんだから苗字と一緒にしてくれたっていいんじゃね?
まあ雪男はこんしこんこん?いや、こんしこんごん?あー、もういい、とにかくそういうのはしないとか前に言ってた気がする。
とか思いながらもゴースト見つけて、羨まし…じゃなくて、しえみの胸を触った挙句逃走して、意味のわかんねぇ悪魔に襲われてボロボロにされて暴走しちまうし、またまた意味のわかんねぇ乳デカ女に抱えられるし、窒息しそうになるし、なんだこれ。
あ、そういえば俺、今日の占い最下位だったような気がする。
それのせいか。

そんでそのシュラ?っつー女と苗字は知り合いだったらしくて、どこかぎこちない笑顔しか見せたことのない名前が心から浮かべたような満面の笑みで女に抱き着いてるのを見て、なんか胸が痛んだ。
おまけに一瞬恋人みたいな関係だと思っちまうし、なんか苗字と親しそうだし、苗字も親しそうだし。
(まあぶっちゃけかなり羨ましい)
んで、基地に連れていかれて、その女にさらにボロボロにされて笑われるし意味のわかんねぇこと言ってるし、本当に今日は最悪の日のような気がする。


「兄さん!大丈夫だった!?」
「おう、まあな」
「んな心配すんなよビビリ。こいつ怪我の治りはえーんだろ?」


外に出るとすごい心配そうな顔で雪男が俺に近付いてきた。
雪男は女を見るなりいつもより数倍怖い顔になって睨みつけていた。


「そう怖い顔すんなよなー。ハゲるぞ」
「…はあ、もういいです」


呆れたように溜め息をついてる雪男に、女はまた笑ってる。
すっげー、雪男をここまで呆れさせるやつとかいたんだな。
ちょっとだけ尊敬してみる。


「…いつから苗字さんと知り合いだったんですか?」
「んー、まあ昔からかにゃ」
「は?昔って?いつくらい?」
「うおっ、お前やけに食いつくな。…まあ名前とは獅郎と会う前からの知り合いだ。アタシが祓魔師になろうと思ったのも、名前のためだし」
「どういうことですか…?」
「アタシから言えんのはこんくらいだ。詳しく知りたきゃ名前の口から聞くんだな」


ジジイと会う前からの知り合い?
祓魔師になったのは苗字のため?
どういうことだ?
あとは苗字に聞けって…。
雪男も顔をしかめてなにかを真剣に考えこんでいる。


「……んん?」
「お?どーした」


霧隠シュラつったよな、この女の名前。
霧隠シュラ…シュラ、シュラシュラ、どっかでこの名前を聞いたことがある気がするんだよな。

会いたいよ…シュラ


「あ…ああああああああ!!!!」
「にゃにゃ?どうした」
「兄さん?」


俺は女を指さしながら思わず叫んでしまった。
でも誰だって叫びたくなんだろ。
自分の好きな人の彼氏だと思い込んでたやつが実は女で、彼氏じゃなくて、家族みたいな関係だと分かったんだからな。
苗字が合宿のときに電話してた相手はこの女だったんた。
俺が「そっか、そうだったのか」と一人で頷いていたら、二人がヘンな目で見てきた。


「おい、本当にどうしたんだ?とーとー頭が壊れたか」
「いやいや、お前が女で良かったって思ったんだよ!」
「「はあ…?」」


やっぱ、今日はいい日だな!




占いは当てにならねぇな
(うははははは!)





おまけ


「おい、お前に忠告しとく」
「あ?なにをだよ」
「名前はやんねぇぞ」
「はい?」
「名前が欲しけりゃアタシを倒すこったな!」
「はあ!?」






―――――――
ちなみに燐がこんしこんこんとか言ってたのは公私混同と言いたかったのです


 

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