愛情ラビリンス | ナノ
ねじ曲がった感情


 
俺と***が出会ったのは祓魔塾だった。たまたま***が後ろの席に座っていて、本当に偶然な出会いだった。***は少し面倒臭がり屋だけどすげぇ優しくて、俺が青焔魔の落胤だと知ったときも畏怖せずに、軽蔑せずに話し掛けてくれた。

それで、俺は***に溺れていったんだと思う。今思えば一目見たときから惹かれている俺がいたかもしれない。


最初はただ純粋に***が好きだった。

だけどいつしか、男だろうが女だろうが***に触れるたびに、話し掛けるたびに、関わるたびに、真っ黒でどろどろしてる感情が俺を支配するようになっていった。

俺は思った。

こんな想いするくらいなら、俺の中に閉じ込めてしまえばいいと。そうしたら誰とも関わることがなくなる。

だから俺は***を閉じ込めたんだ。だけど現実はうまくいかなくて、雪男に見つかっちまって、最初は止められた。だが雪男も諦めがついてきたのか最近なにも言ってこねぇ。


「***、」


白い肌を晒して寝ている***を見ていると、自分が押さえられなくなる。

触れたい触れたい触れたいただ触れたいんだお前の心臓に。手を伸ばせばお前がいる。こんな無防備に肌を晒して、いつだって***を俺のモノにできるんだぜ?わかってるか、なぁ、

寝ている***の鎖骨に唇を押し当てて吸い上げ、キスマークを幾度も重ねいくつも散りばめていく。綺麗だぜ、***。
真っ白なお前の肌には真っ赤な俺のモンだって印がよく似合ってる。

本当は爪を立ててお前の血を貪ってもいい、だけどあんまり***に傷は付けたくねぇからな。今は唇だけにしておこう。
柔らかい唇を堪能してから舌をぬるりと滑りこませる。息苦しいのかたまに漏れる吐息がすっげぇ色っぽい。

きっと普通のヤツが見たらこんな俺はおかしいんだろうな。それでも、それでもいい。他人を切り捨てることで***を愛せるならそれでいいんだ。***は俺の唯一無二の存在だ。俺は***にこれでもかというほど依存していて執着していて愛している。

そして***は俺にとって精神安定剤でもあれば毒でもある。一緒にいれば心が落ち着き酷く安心感を覚える。だけど一緒にいればいるほど離したくなくなって、まるで猛毒のように俺の感情も体も心臓も支配していくんだ。

俺がおかしくなっていることくらい気付いている。雪男からそう言われたし、塾の連中からも雰囲気が変わったといわれた。

それでもいい。
もう、全てが***を求めているんだよ。


「***…大好きだ、誰よりも愛してるぜ」


このまま考えていたら、感情が爆発しそうになったから、もう一度***に深いキスをして部屋を立ち去った。
 


 
 

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