俺の名前はポートガス・D・エース。
白ひげ海賊団二番隊隊長だ。
あの戦争から早数ヶ月。
打って変わって穏やかな日々。
俺は生きているという事を心から感謝していた。
今日は快晴。
俺はいつものように、いつもの場所で昼寝する。
おだやかな潮風を受けながら
うつらうつらしていれば
耳を劈くような声が聞こえた。
声の主はわかってる。
それは・・・。
「みってくださーーい!!これ見てくださーーい!!」
奴の名はルピタ。
俺の部下でうるさいやつだ。
まぁ居なきゃ居ないで寂しいもんだがな。
そんなルピタの声は聞くとある意味落ち着く。
って何言ってんだ。俺は。
ルピタは何やら紙切れ2枚を持ってはしゃいでいる。
俺はアイマスク替わりのテンガロンハットを少しずらしてその様子を伺った。
「どうしたルピタ?」
「えらい喜びようだよい」
「ウフフ。何か良いことでもありまして?」
「じゃあん!これ見てくださーーい!この間出来たばかりのスーパーテーマパーク、ドリームランドのペアチケットが当たったんですよ!」
それはこの間グランドラインの観光スポットの島に出来た新しいテーマパークのチケットだった。
なんでも最新の技術を使ったアトラクションが沢山あるらしい。
まぁ俺は興味ねぇけど。
「にゃー!すごいにゃ!ボクも実はコッソリ応募したけど当たらなかったにゃ!行きたいにゃ!」
「でも、ペット入園は禁止ですわよ」
「にゃあああああああ!!!!?」
「まず懸賞金かけられてる奴が懸賞に応募するなよい」
「大丈夫です!偽名使いましたから!」
「へぇ!なんて偽名使ったんだ?」
「ビューティ・ルピタ。」
「名乗ってんじゃねぇか!!!」
俺はそのやり取りに思わず吹き出した。
おおっといけねぇ。寝たふりしねぇと・・・。
「それで、実は期限付きの券なんで明日行かなきゃならないんです。チチカナー!行かない?」
「ウフフ。申し訳ありませんわ。明日は一番隊遠征の日なのです」
「ええ!じゃあマルコ隊長もだめじゃん!」
「わりぃな。仕事優先だよい」
「サッチ隊長は?」
「俺は行けるぞ!暇だか・・・ひぃ!」
「にゃ。ボクが行けないのにサッチ隊長は行くのかにゃ?いい事を教えてあげるにゃ。アイルーは呪いもかけることができるにゃ。」
「わ、わかった!行かねぇよ!行かねぇからその藁人形と五寸釘しまってくれよ!」
ほぅ。話を聞く限りではあのメンバーは誰も行かねぇらしいな。
ということは次に誘いがかかるのは
俺か・・・。
まぁたまには部下の娯楽に付き合ってやるのも悪くねぇ。
テンガロンハットの下で俺は口角を上げた。