「とりあえずよくわかんないんで手続きお願いしまーす」
そう言ってヘラヘラ笑うルピタと
手元のチケットを交互に見つめ
俺は決めた。
「俺帰るわ」
「ええ!!」
ルピタにチケットを押し付けてそそくさと帰ろう。
「いいじゃねぇか。たまにゃあ一人でゆっくりしてこい!じゃあな」
そう言ってチラリとルピタを見れば
押し付けたチケットをじぃっと見つめて
ハッと顔をあげる。
そしてニンマリ笑った。
「それもそうっすね!なんかお食事もとっても豪華みたいだし!エース隊長の分も頂いときまーす!あ、後で感想教えますね!」
お食事が、豪華・・・だと?
俺はルピタからチケットを奪うと
そのホテルに向かった。
「エース隊長!!?ちょっ!!盗人!!!」
ルピタがその後を追いかけてくる。
まぁあれさ!天と地がひっくり返っても
過ちを犯さない自信が俺にはある!!
と、思う。
その高級ホテルとやらは
煌びやかなエントランスホールに
高そうなシャンデリア。
そして美人な受付嬢がいた。
出来ればこの美人な受付嬢とひと夜を過ごしてぇもんだが
そうもいかねぇってのが現実だ。
「お部屋は505号室になります。後ほどお食事をお持ち致しますのでどうぞごゆっくりおくつろぎくださいませ」
キーを受け取ってその部屋へ。
ロイヤルスイートとだけあって
結構な部屋だ。
ベッドが2つあることが救いだな。
「うわぁ!大きなベット!!」
ルピタはそう言って服を脱ぎ出すと
インナーいっちょでそのフカフカなベッドへダイブしてゴロゴロし始める。
部屋に入って数秒で綺麗に整えられたベッドがぐっちゃぐちゃだ。
「イャッフィイイイ!!」
そんな奇声をあげながらゴロゴロしまくるベッド妖怪の隣のベッドに腰掛けてため息をひとつ。
ふと目の前の大きな窓からは、キラキラとした夜景が飛び込んできた。
「エース隊長!!エース隊長!!見てください!ガオーーー」
「おう。すげぇな」
シーツを被って何かの真似をするルピタを華麗にスルーすると再び夜景に視線を移す。
しばらくすれば
コンコンとノックの音。