全くコイツは子供だ。
正直シューティングで負けたのは悔しかったからその後3回くらいリベンジしたが
ぜんぶ負けた。

ベンチに座って一休み、ソフトクリームが食いたいとか言い出したから買ってやれば
嬉しそうに頬張るルピタ。
そんなルピタの隣に腰を降ろして空を見上げればよく晴れた青が広がってた。

「エース隊長!次は何します?」

そう言って笑うコイツの口の周りはソフトクリームだらけで
近くにあった紙ナプキンでゴシゴシ拭いてやる。
確かこいつ俺と同い年だよな?
なんて事を思いながら
こんな穏やかな日も悪くねぇなんて思ってみたりもした。

それからジェットコースターだの
お化け屋敷だの
ありきたりなアトラクションを次々に回って
気付けば辺りは薄暗くなってた。

「そろそろ帰んぞ!」

ルピタにそう言えば
えー。と思ったとおりの反応を示す。

「エース隊長」

「んだよ?」

「最後にあれ乗りたいです」

そう言って奴が指さしたのは観覧車だった。


ゆっくりと上昇するゴンドラから見えたのは
赤紫色の昼が夜になる前の顔だった。
ルピタはガラスに張り付いてそれを眺めていて
そんなルピタを俺は座って眺めていた。

「見てください!エース隊長!!」

「あ?」

ゴンドラが最上まで登ったその時
そこから見えたのはキラキラと輝く街の姿。

「きれー!やべー!」

素直すぎるルピタの感想に笑いそうになりながら
俺もそれを素直に綺麗だと思えた。


「じゃ。帰るぞ!」

そう言ってテーマパークを後にする。

「楽しかったぁ!あ。エース隊長。これお願いします」

「あ?」

ルピタはそう言って紙切れを2枚渡してきた。
それはテーマパークのチケットじゃなく・・・

「は?グランドホテル・・・アディール?」

「はい!あれ?言いませんでしたっけ?これ一泊二日のツアーチケットなんですよ?」


は?
いや。
きいてねぇし。
知らねぇし。

チケットが入った封筒をまじまじ見てみれば

ご当選おめでとうございます!
一泊二日の夢のテーマパークへの旅を
お楽しみください。
宿泊先は高級グランドホテル、アディール。
ロイヤルスイートのお部屋になります。
良い旅を・・・!



とか書いてやがった。


つぅことは、

今夜。

俺はこいつと

ロイヤルスゥイートな同じ部屋で

泊・・・。


「はぁああああああああ!!!!???」

俺の絶叫が暗くなりかけた空に溶けていく。


後編へ続く!!!




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