その島は観光客でいっぱいだった。
高級リゾート地って事もあってか
位の高そうな奴らもチラホラ。
俺はそういった奴らが好きじゃねーから
自然と眉間にシワがよる。

「エース隊長?」

「あ?」

「怒ってますですか?」

おおっといけねぇ。コイツはカンケーねぇのに。
誤魔化し程度に軽く頭をポスポスしてやれば
何故か露骨にはぁ?みたいな顔された。
普通の女なら真っ赤になって恥ずかしがるのに!!

「さ、さっさと行こうぜ」

「え!?うぉあ!!」

俺はルピタの腕を掴むと人混みの中をグイグイ歩く。
しばらくすればそのテーマパークとやらが顔を出した。

「うわぁああ!!」

ルピタは目を輝かせると、腕を掴んだ俺の手を高速で振り払い
ゲートに向かってまっしぐら。
買ってやった服は淡い色のワンピースなんだが・・・。
きっと普段着ないスカートという障壁が邪魔なのだろう。
全力でまくりあげやがった。
おま!インナーとはいえおパンツが丸見えだ。
周りの観光客は目が点だ。

「てめっ!!スカート全力でまくってんじゃねーよ!!!」

あいつには羞恥心がないんだろうな。
俺の方が恥ずかしい。


「エースたいちょーう!早く!」

スカート全開野生児に名前を呼ばれた俺に
バッと視線が集まる。
俺は今全力で他人の振りをしたい。
そうする訳にもいかねぇし、足早にルピタ近づくとスカートを降ろした。

「てめぇ。女らしくしろっつったろ?」

「だってこれ邪魔なんです!!!」

輝いた瞳でそんなこと言われたら
買ったこちらとしてはなんだか虚しい。
なんだろこの気持ち。言いようがねぇ。





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テーマ「人外ファンタジー」
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