「ラギコー。ごめんねぇついてきちゃダメなんだよー。」

ラギコはお散歩に行けると思ったんだと思う。
ストライカーに乗った私達を追いかけてきた。
そんなラギコの頭を撫でてやれば、悲しそうにか細く鳴く。

「あー。ラギコとリィリィも入れたら良かったのに」

「仮に入れたとしても、ラギコはアトラクション。リィリィは土産屋に並べられるだろうな」

エース隊長は前だけを見続けて言い捨てる。

「それよりお前。さっき約束したこと覚えてるか?」

「え?エース隊長がこの間酔って、サッチ隊長とチューしたコトですか?」

「え!?何それ!!俺知らねぇよ!!覚えてねーよ!!」

慌てて口を高速で拭くエース隊長は面白い。

「嘘ですよ。ぷぷっ!」

ニンマリ笑ってそう言えば、強烈な拳骨が落ちてきた。
エース隊長は暴力に頼りすぎてると
私は思う。

「くだらねぇ冗談はいいんだよ!!で?約束したこと覚えてるか?」

「えーと、」

そう。モビーを出るとき約束させられたんだ。

「いち!騒ぎを起こさない。」

「おぅ。次は?」

「にぃ!エース隊長の言う事を聞く!」

「次」

「さん!女らしくしろ!」

「はい。よろしい」

エース隊長は納得したのかまた海の先に視線を戻した。
エース隊長はほんっと過保護だ。
もう子供じゃないんだし!
しかも女らしくしろ!って
女なのにこれ以上なにを女らしくっていうんだ!

でも逆らったら拳骨だもん。

本当に暴力に頼りすぎてると
私は思う。


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