「残念だなぁ。じゃあ・・・」

ルピタは困ったように辺りをキョロキョロしてやがる。
しょうがねぇ。誘いに乗って・・・

「イゾウ隊長とかどうかなぁ?あ、ジョズ隊長とか意外にテーマパーク好きそう。」

「おいいいいいい!!!!」

「わ!エース隊長!!!起きてたんですか!?」

しまった!思わず起きてしまった。
だってそうだろ?普通次に誘うの俺だろ?
なんで他が出てきちまうんだよ!!

俺は無言でルピタに近づくとチケットを奪い取った。

「あ!ダメですよ!!それ私の!私の!どろぼーーー!!盗人!チャラ男ーー!!!」

「チャラ男カンケーねぇだろ!!・・・一緒に行ってやるよ」

「・・・え?」

「だぁから!一緒に行ってやるってぇの!!」

「え?エース隊長が?・・・えー・・・」

「なんで露骨に嫌な顔すんだよ!!!」

くっそ!なんでこいつ嫌な顔してんだよ!
俺は奪い取ったチケットをぐっしゃぐしゃにしてやりたいのをぐっと我慢し睨みを効かせる。
普通の女なら喜ぶのに・・・
俺結構モテる部類なのに!!!

「しょうがないなぁ。エース隊長がどうしてもってゆーなら、付き合ってあげてもいいですよぉ」

何故か上から目線で言われたが、そこも我慢だ。
俺はチケットをポーチにしまうとストライカーに乗り込む。

「ど、どこ行くんすか!?まさかそのチケットを転売して・・!!なんてやつだーー!!」

「ちげぇよ!!ちょっと買い物してくるだけだ!!」

俺はそう叫んでストライカーを発進させた。
近くにある島は結構栄えてる。
そこであるものを調達するためだ。


「いらっしゃいませー」

俺は今服屋にいる。
女物のだ。
なんでかって?そりゃあ・・・あいつの服を調達しに来たからだ。
だって考えてもみろ。あんな鎧で歩かれたら目立ってしゃあないし、下手したらテーマパークの着ぐるみの部類と勘違いされるかもしれねぇだろ?

あいつは根っからのハンターなせいか
服や装飾品に興味がこれっぽっちもねぇ。
持ってる服といったら鎧の下に着るインナーのみだ。

「お客様?彼女さんにプレゼントですか?」

「は?へ?」

いきなり店員が訳のわからねぇこと聞いてきやがった。
違うっつうの!とも言えずに
曖昧に返事を返す。
それにしてもこの店員可愛いな。
この店員にチケット渡そうかな。
いや。そんなことしたら俺はきっとアイツに大剣でまっ二つにされちまう。

「い、今流行りの服ってどんな感じのっすかね?」

「それでしたらぁ・・・」


店員にチョイスしてもらった洋服一式を買い、俺は服屋を後にする。
その後は本屋でそのテーマパークがある島の観光ガイドを買った。

って俺。

なんでこんなことまでしてるんだ?

たかがアイツのために・・・

ふと服の入った紙袋に視線を移す。
何故かアイツの笑顔が脳裏に過ぎった。







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