「はぁ」

俺は机に頬杖をついてため息をついた。

「どぉしたエース君!ため息なんかついちゃって」

何故か上機嫌なサッチがすげぇムカツクが、そんなのはシカトして
またため息。

俺は眠れずにいたんだ。
瑠璃のあんな姿見ちまったんだ。
ため息なんかじゃ足りねぇくらいだ。
ルフィは目を真っ赤に腫らして、俺はげっそりとクマをつくり
はたからみたらすげぇ形相の兄弟だと思った。

本当は今すぐにでも瑠璃のクラスに行って真相を聞き出したい。
俺はいつからこんなに女々しくなったんだ?
そういやぁ、あの天パーの姿が見えない。
まぁ天パーはどうでも・・・良いわけでもないんだけどよ。

「うぉーい。今日も元気か野郎共」

ほどなくして、シャンクスがやる気無さげに入ってきた。
いつもと違うのは、その後ろから霊美が入ってきたこと。

「えー。お前らに残念な知らせだ。霊美が家庭の事情で一週間後に転校することになった」

シャンクスの言葉にざわざわと小さなざわめき。
成る程。シャンクスにその事伝えるために朝早かったのか。
そんなことを俺は冷静に思った。

「短い間だったが、楽しかったよ。ありがとう」

天パーは相変わらずニヤニヤと眠たそうな目でクラス全体を見回す。





「おい!霊美嘘だろ!?」

「嘘だっていってくれよーー!!」

休み時間。サボとサッチが霊美にすがりついていた。

「キシシシ。落ち着きたまえよ」

天パーはそんな二人を見てニヤニヤ。
そんな奴と一瞬目が合う。
昨夜の事もあって気まずくなり、目をそらした。

「さて」

「霊美?どこいくんだ?」

そんな天パーが立ち上がり、すたすたと教室の入り口まで歩いていく。
サッチが呼び止めれば、くるりと振り返り。

ちょっと用事があるんでね。

と言って出ていった。

あいつがトイレ以外で席を立つのは珍しい。
そんなことを思いながらも、俺は机の木目に視線を戻す。
だめだ。やっぱり・・・

俺は勢いよく立ち上がった。

「サボ、サッチ。頼みがあんだけどよ」

俺は二人に告げた。


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