なんだか私は暗くなっていた。
周りが暗くなっていくのと同じで
気分が沈む。

やっぱりエースと霊美さんはすごく仲良くて
さっきなんか、私が入る隙もなかったって感じ。
彼女なんだから自信持とうよ!ってナミに言われたばっかだけども

ごめんナミ。
私自信なくなっちゃったよ。

自然と緩む涙腺を必死で閉めたけど
やっぱりそれも空しくて、ポロリと一粒涙が頬を濡らした。
空のエコバッグ片手に、フラフラと歩く。

そうだ。
お母さんに買い物頼まれてたんだ。
今日はカレーにするとか言ってたな。
じゃがいもと、たまねぎと、人参と・・・

無理やり今から買いに行くリストを
頭に思い浮かべる。


「・・・あれ?なんで?」

スーパーに向かっていたはずの足は
何故か学校の校門前で止まった。
部活終わりの野球部の声が遠くで聞こえる。
所々灯りのついた校舎。
何故だか私の足は、さらに校舎の中へと進んでいくのだ。
何故か?何故か。
何故かなんてわからない。

言えるとしたら、そっちに行こうとする力に逆らえない感じだ。



暗くなった学校は
昼間と違った顔を見せる。
真っ暗な廊下の先には
非常口の看板が
緑色の光を放っていた。
多分玉切れが近いのか、
パチパチと音を立てて
ついたり消えたり。


「あは、はは!何やってんだろ!帰らなきゃ!」

急に怖くなって、踵を翻そうとしたら
真後ろに人が立っていた。

「ひゃっ!!」

驚いて、尻餅をついてしまう。
その人物はクスクスと笑って手を差しのべた。

「ごめん。驚いた?」

「カ、カナエさん!!」

それはいつぞやに悩みを相談した、カナエさんだった。
相変わらず綺麗な笑顔を私に向けている。
私はカナエさんの手を取ると立ち上がった。

「何やってんの?」

「え、いや。その。なんかよくわからないけど、学校に来ちゃって!」

「あはは!なにそれー!・・・確か瑠璃ちゃんだよね?また何かあった?」

「え?」

「だって顔に書いてあるもん!また彼氏と何かあったんでしょ?」

カナエさんはふふっと笑って私を見つめてきた。
私はしばらく黙って、カナエさんにさっきあった事を話したんだ。


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