むかつく。
むかつく。
むかつく。


私はとてもイライラしていた。
自分でも不思議な位に
こんなに怒ったことあったけ?
多分ないな。

私は人混みを縫うようにはや歩きした。


私が怒っている原因はエースだ。

それはほんの些細なこと。

エースが上の空で私の話を全然聞いていなかったから。
それだけだったら許せたかも知れない。
でも私は知っている。
図書館に霊美さんの姿があって
私を待ってる間のエースが、彼女の姿を目で追っていたのを。


霊美さんがやってきてから
エースはなんだか変だ。
変っていうか、なんていうか。
私の思い過ごしかもしれないけど。

エースと一緒に住んでる霊美さん。
クラスも一緒な霊美さん。
なにかと霊美さんの話を出すエース。

そして今日の出来事。


私は気づいているんだ。
私は・・・霊美さんに嫉妬している。

そんな自分も嫌だし
エースを疑う自分も嫌だ。

そんな感情が入り交じって、今日のような態度をエースに出してしまった。

着信があったけど出る気になれず、そのままケータイの電源を切った。

エースはこんな私の事をどう思うかな?
めんどくさい女って思うかな?
嫌な女って思うかな?
キライになっちゃうかな?

「嫌だよ。そんなの」

溢れ出す涙を必死で飲み込んで、私は家へ急いだ。


家へついて、私は机に向かう。
少しでも気を紛らわせようと、宿題を・・・
と思い鞄を開いた。

「あれ?」

そこで私は課題用のノートを学校に忘れてきた事に気づく。
途中まで完成させていた調べもの。
新しいノートに一からまたやるのは面倒だ。

「ほんと。最悪だなぁ」

私は学校にノートを取りに行くことにした。


休日の学校には部活に励む生徒の姿があった。
サッカーに野球に陸上
校庭でそれぞれが練習に励む。

私は昇降口から中へ入ると、上履きに履き替えた。

「あら。間城さん?」

声をかけてきたのは
たしぎ先生だった。
たしぎ先生はスッゴク優しくて、私は結構好きな先生なんだ。

「あ。こんにちわ!」

「どうしたの?」

「実は課題のノート忘れちゃって」

私はそう言って苦笑いだ。
たしぎ先生は今日、日直らしく
まだ色々と仕事が残ってるらしい。
少し話して、たしぎ先生と別れたあと
私は自分のクラスへ向かった。

いつも賑やかな教室はシンと静まり返っていて、なんだか不思議な空間だ。

私は自分の机から忘れていたノートを取り出した。

「あった。あった」

それを鞄にしまい、スッと顔をあげたところで
私は小さく悲鳴をあげたんだ。

何故なら私の前の席に、さっきまでいなかった
見慣れぬ女の人が座ってこちらを見ていたからだ。
良く見ればウチの高校の制服をきている。

「ごめんね。驚かせたかな?」

その人はスッゴク綺麗な人で
同性の私だってドキッとしてしまう。



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