「はぁ。」

やっと一週間が終わる。
ここのところ、俺は寝不足だ。
何故かって?
おしえてやろうか?


俺達の部屋の並びは
ルフィ、俺、霊美。

真夜中になると、霊美の部屋から
謎の、呪文なのか・・・お経なのか・・・
そんな意味わかんねぇ声が聞こえてくるんだよ。

『うっるせぇえええ!!!』

『やぁやぁエース君。近所迷惑だ。静まりたまえ。』

『てめぇが静まれ!!このオカルト女!!!』

こんなやり取りを毎晩し続けた俺は
極度の寝不足だ。
大事なことだからもう一度言おう。

極度の、寝不足だ。


今日1日が終わり、明日から三連休。
とりあえず瑠璃とデートしまくって、充分睡眠もとって・・・
そんな俺の肩を叩くのはサッチ。

「よぉエース!クマがひでぇな!」

「あぁ。」

「はぁあん?毎晩ヤりまくりで、寝る暇ねぇってか?」

サッチは大口を開けて笑った。
そうだったらどんなに良いことか・・・

俺はそう思いながら、鞄に教科書を乱暴に詰めた。

「エース。今日の夜暇か?」

「あ?なんでだよ」

「すっげぇところ見つけたんだよ!!」

サッチの目がキラキラと輝きを放っている。
俺は瞬時にその意味を理解した。

「また心霊スポット巡りかよ」

「よくわかってんじゃねぇか!流石は我が心の友よ!」

そう言って俺の背中をバシバシ叩くサッチに、はぁっと深いため息をついた。
今の俺にとっちゃあ、学校も家も街中も
全てが心霊スポットの様なもんなんだ。

「隣町にある廃墟なんだけどよー。これまたヤベェところらしいんだ!なんでもそこは昔あった連続殺人事件の現場なんだってよ・・・。ゾクゾクするだろ?」

俺は、目を輝かせながらそんなこと言ってるお前にゾクゾクするよ。


「アッシーはシャンクスの野郎で決まってる。後のメンバーはとりあえずサボとマルコと霊美だ。エース!瑠璃ちゃん連れて来いよ!」

「えー。俺いかねぇ」

「はぁあ??なんでだよ!!」

「瑠璃が怖がるだろ?」


あの変態覗き見幽霊の一件以来、瑠璃は幽霊とかそういう類いがプチトラウマみてぇになってるみてぇだ。

「えーすぅう!!行こう?ねぇ。行こう?」

サッチが気色悪ぃ裏声で叫びながら、俺を揺する。

「わかった!考えとくよ!」

俺がそう告げれば、サッチはふにゃんと顔を綻ばせた。






「っつう訳なんだけどよ。行くか?」

「行かない!!絶対行かない!!」

「だよな」

帰り道、瑠璃にそう言えば
彼女はすごいスピードで首を横に振った。
断固拒否の姿勢が半端ない。

「エースだけ行ってきなよー」

「んー・・・」

「だって、サッチ先輩とサボ先輩が一緒でしょ?」

「あー。まぁな。今回はマルコも行くっていってたし、シャンクスが車出すとか・・・。もれなくあの霊感天パーもついてくんだけどよ」

「え?霊美さんも?」

「ああ。」

すると瑠璃がピタリと足を止めた。

「どした?」

「じゃあ私もいく!!」

「え?」

瑠璃の目がメラメラ燃えてる気がするのは、気のせいか?
もしかして、瑠璃の奴・・・
霊美に変な対抗心でも持っているんだろうか?


「幽霊怖いんじゃねぇのかよ?」

そんな瑠璃が可愛くて、茶化してやった。

「こ、怖くない!!」

「へぇ・・・んじゃ一緒に行こうぜ?」

「う、うん!!」

「大丈夫だ。なんかあっても俺が守るからよ」

俺がそう言えば、瑠璃は顔を真っ赤にさせた。
可愛い奴め。
ここで襲うぞ。


戻る
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -