カナエさんは鼻唄を歌いながらケータイを取り出した。
そのケータイは紛れもない私の。
「そのケータイ！私の・・・何をするつもりなの！？」
「私のケータイ？アハハ！今はあたしの。そしてこれから先もずぅっとあたしの」
「な、それって・・・」
「瑠璃ちゃんってさぁ。塾とか行ってるわりに頭弱いんだね！」
カナエさんはクスクスと笑いながらケータイをポチポチと押して
耳につけた。
誰かに電話をしようとしている。
「もしもし？エース？私。瑠璃。今から会いたいの」
全身がぶるりと震えた
何故なら
そう言ったカナエさんの声は
私そのものだったから。
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