「おはよーう!!瑠璃!」

「わりぃ!待たせたな」

「あ!おはよう。ルフィ!エース!」

このひまわりみてぇな笑顔を見せるのが
俺の恋人瑠璃。
本当に
何回見ても
何百回見ても

可愛すぎる俺の彼女だ。

「いこっ?早くいかないと遅刻しちゃうぞ!」

そう言って、俺とルフィの手をとる瑠璃。
彼女とは、高校で出会った。
新入生歓迎会の時、目が合って一目惚れ。
それからすぐにアタックしまくって
今に至る。

今まで片手間程度に付き合ってきた女にゃわりぃが、今俺は瑠璃にぞっこんだ。


瑠璃とルフィは同じクラス。
俺は三年の為、下駄箱で二人と別れた。
こればかりは、ルフィが羨ましくてたまらない。

「よーう!エース!!」

「おっはよー!」

「おお。サッチにサボか」

教室へ着いた俺の元へやって来たのは、親友というか悪友というか
そんな類いの、サッチとサボ。

「夏休みの宿題やってきたかー!?俺やってねぇ!見せてくれー!!」

「俺もやってねぇよ。んなこたぁマルコかロビンにでも頼め」

俺の隣でばか騒ぎするサボに、隣で朝っぱらからエロ本広げてニヤニヤするサッチ。

「サッチ。朝っぱらからエロ本なんざ見てんじゃねぇよ」

「うるせぇ!可愛い彼女がいる野郎にゃ関係ねぇだろ!」

「いいよなぁ!エースは!あの学校いちのアイドル瑠璃ちゃんとヤり放題だもんなぁ」

「そーいう言い方やめろ!!」


俺はそんなバカ友にため息をつきながら、鞄から教科書やらなにやらを机に出した。

「そうだ!!エースこれ見てくれよーー!!」

サボがおもむろに俺にケータイの画面を見せてくる。

「んだよ。」

俺はサボからケータイを受け取り、それをマジマジと見つめた。

そこにはサッチとサボが写っていて、背景は墓地。
こいつらはこういう心霊うんぬんが好きで、よく心霊スポット巡りだとかに付き合わされる。

「なんだよ。これ。」

「これ昨日の夜行った所なんだ!」

「エースもくりゃよかったのにぃ」

確か、昨日の夜。
瑠璃と二人でDVD 見てたら、電話かかってきたな。
今話題の心霊スポット行こうぜ!的な・・・

「ばーか。俺ぁそういう類いは信じねぇの!」

「ほぉお!?じゃあこれ見てみろよ」

サボがニヤニヤ笑って画面の端を指差す。
そこには白いもやのなかに、うっすら人の顔みてぇなのが写ってた。

「で?」

「で?じゃねぇだろー!!心霊写真だぞ!?これーー!!」

「まぁ。それだけだったんだけどよぉ。心霊写真取れた祝いに、そこで酒盛りしてきたんだよ!」

サッチがまるで武勇伝を語るようにいい放つ。

「でも、それから妙に肩が痛くて。なぁ?サボ」

「あぁ。そうなんだよ。怖くね!?」

「しらねーよ。湿布でも貼っとけ」

俺はそう言ってふぁーっと大きなあくびをしてやった。

「さぁーっ!!席つけー!!野郎共!!」

そこへ入ってきたのは
元ヤン先公
シャンクス。
テキトーすぎる俺達の担任だ。
真っ赤な髪をワシワシ掻いて、あくびを一つ。

「野郎共!夏休みはどうだった!!?先生は出会い系で失敗した!!ワッハハハハ!!」

てめぇの出会い系失敗談なんて聞き飽きたわ。バカシャンクス。
俺はそんなことを思いながら頬杖をつく。

「そんな先生から、野郎共へ!!朗報だぁ!!このクラスに新しい仲間が増えるぞ!!入ってこい!!」

シャンクスがそういえば、ダルそうに歩いてくる転校生。
この時期に転校生?俺はそう思いながらその姿を確認する。
俺はその姿に目を見開いた。
そこにいたのは、あの天パー女だったからだ。

相変わらず眠そうな目でクラス全体を見渡す。

「月野辺 霊美だ!!みんなよろしく頼むぞーー!!」

相変わらずヨレヨレのTシャツに、はき古したジャージのハーフパンツ。
それは制服ばかりの教室で、異様な雰囲気を醸し出す。
それよりも、何よりも・・・
その不気味な威圧感が、クラスを黙らせたんだ。

「月野辺 霊美です。以後よろしく」

そう言って人を見下すように笑った天パーは、霊美という変わった名だった。

「んー!!じゃあ月野辺の隣は・・・おっちょうどエースの隣が空いてんな!!」

「え!!?」

「仲良くしてやれよ!!俺は今からメールに忙しい!!ホームルームはこれにて終了!!」

シャンクスは、ケータイをポチポチしながら出ていった。


「やぁやぁ。またあったね」

霊美は俺を見るなりそう言って、にぃっと笑った。
俺は咄嗟に目をそらす。

「なんだー?エースと知り合いか!!」

「珍しいな!エースの知り合いにこんなへんちくりんがいるなんて!」

近くの席の、サッチとサボが笑う。

「ちっちげぇよ!!知り合いなんかじゃねぇ!!」

「おおー!!エース顔が真っ赤だぞぉ」

「そうムキになるなって!瑠璃ちゃんには黙っててやるよ!」



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