家までの道を歩く間。
思い出さないようにしてきた幼い頃を思い出してしまった。

「っくそ!なんだってんだよ!」

今日は本当にとんだ一日だ。
どんより曇った空はまるで俺の心のようだ。
そんな空を見上げて深いため息をひとつ。

やっと家が見えてきた。
なんで長い帰り道だったんだろう。
しかし、ここで俺は異変に気づいたんだ。

なんか家の前にへんてこな格好の奴が立っていて、家を見上げてニヤリと笑っていた。
たぶん俺より年下で、長い黒髪。
女か?男か?
わからねぇが白いながいマントに身をすっぽり隠し
ただただ立ち尽くして家を見上げてるんだ。


「なにやってんだ?」

俺は恐る恐るそいつに声をかけてみた。
するとそいつは俺を見て、ニコリとあどけない笑顔で笑ったんだ。

「ここは君の家か?」

その声は少年で、同時にこいつが男と言うことを認識する。
それにしても、ガキのくせに妙に落ち着きがあって
なんだか背筋がぞわりと逆立った。
こいつが醸し出すオーラは
その辺のガキとは違って、例えるならあの天パーのように俺をびびらせるオーラだ。

「な、なんだよ。家になんか用か?」

「んー。別に?」

ニコニコとあどけない笑顔で答える少年に、俺は戸惑う。
それにしてもこいつなんなんだ?
俺はもちろんこんなやつ知らねぇし
多分じじぃやルフィの知り合いって訳でもなさそうだ。
じゃあなんで家の前で・・・?

「今どうして家に?って思ったろ?」

「は?」

そいつは今俺が思ったことをすらりと放った。
低い低い声で。
そんでニヤリと笑ったんだ。
そいつの両耳に光る星の模様が入った丸い耳飾りが鈍く光って、俺はぶるりと芯が震えた。

「フフ。まぁいいや。僕はね人を探してるだけなんだ。月野辺霊美っていう奴なんだけど。知らないかい?」

俺の心臓が深く脈打った。
こいつの得体の知れない雰囲気に
そして、月野辺霊美という名前に。

「し、知らねぇよそんなやつ!わりぃけど退いてくれねぇか!?そこ俺んちだからよ!!」

ついつい声を荒げてしまった。
すると少年は、またあどけなく笑って俺を通りすぎていったんだ。




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あとがき
遂に謎が解けます!←え
そして今回素敵なゲストが(笑)
名前はあえて出しませんでした(*´∀`)
次回はいろんな謎(?)を追及します


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