「ぬぁにぃ!?あの瑠璃ちゃんが!?」

「ばか!声でけぇよサッチ!ってかそれほんとかぁエース?見間違いとかじゃなくて?」

「だから今から確かめに行くんだろーが!」

俺は決めた。
女々しいやつと思われるだろうが、ウジウジしてる方が女々しい!
だから瑠璃に確かめに行くことにしたんだ。
一年の教室は一階。
俺達は階段を一歩ずつ降りていく。
一年の教室に近づくに連れて、段々と
心臓が速く脈打った


知りたい。けど知らない方がいいのかも知れない。
そんな思いが支配する。
そんなときだった。

「おい。」

聞き覚えのある嫌な声で振り返る。
そこにはスモーカーが立っていた。

「げ、スモーカー」

「げ、とは何だ。ちょうどよかった。貴様らに用があったんだ」

「俺らはねぇよ。じゃあな」

「待て。貴様ら、この間の小テスト・・・0点だったやつ残れっつったのに帰りやがったよな?」



俺たちはあと一歩というところでスモーカーに職員室まで連行された。
でも、心のどこかで
俺は瑠璃に会わずに済んでホッとしたんだ。


「くっそ。スモーカーの奴」

「ムカツクぜ!・・・まぁ次の休み時間に行って見ようぜ?エース」

「お、おぅ。」

休み時間いっぱいまで説教食らった俺たちは、自分たちの教室までの階段を上がる。
スモーカーの悪口で盛り上がりながら中間まで登ったその時だった。
ダンダンと何かが階段を落ちるような音。
ふっと上を見上げれば、階段の踊り場にゴロリと人の影。

「え?」

それが霊美だと気づくのに、時間はかからなかった。

「おい!!」

「霊美!?」

俺達は急いで階段をかけ上がる。
霊美の頭部からは、出血していて
床を赤く汚していた。

「っ誰だよ!!」

俺が上を見上げてそちらを睨み付ければ、犯人の姿は確認出来なかったが、タタッという軽やかな足音と
ふふっという女性特有の高い含み笑いが耳をかする。
この事から、この天パーを突き落としたのは

女ということになる。

「と、とにかく保健室だ!サボはシャンクスに伝えてこい!サッチは手ぇ貸せ!!」

俺は霊美を背負うと保健室までサッチと共に走った。







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