「ゆるさぁああんん!!!」

「じいちゃん!うるせぇよ!」

「そうだ。黙れくそじじぃ」

「黙らんか!!このクソガキどもーー!!」

俺とルフィの頭に強烈なげんこつが落ちた。
瑠璃はそれをハラハラと見つめ
霊美はお構いなしに、今度は大量のエクレアを独り占めしている。

「ルフィ!!貴様!!この間のテストで赤点取ったばかりじゃろ!!?それでいて今の時間から遊びに行くじゃと!?ふざけるのはテストの点数だけで充分じゃ!!」

「今の時間って、まだ7時だぞ!」

「ええーい!!黙れ!!エース!!貴様もじゃ!!受験生の分際でフラフラふらつきおって!!しかも瑠璃ちゃんと霊美まで連れていくじゃと!?女子をこんな時間に連れ出すなど、不良がする事じゃ!!!」

「うるせぇじじぃだな」


じじぃは顔を真っ赤にさせてぶちギレている。
じじぃは根っからの警官なせいか
何かと不良と決めつけてくるんだが、どうにかしてくれないか?

「じいちゃん!!俺は行くったら行く!!」

ルフィがそう言って立ち上がれば、

「ゆるさぁああんん!!!座れーーー!!」

といってじじぃはルフィを投げ飛ばした。
座るというより、のびているルフィ。
そんな俺たちの耳に聞こえる、車のマフラー音と
ドンツクうるせぇウーハーの重低音。

こりゃあ、あの赤髪不良教師のお出ましなようだ。

それは俺たちの家の前で止まる。

そして聞こえるチャイムの音。


「来おったな!!あの不良教師!!」

じじぃはそう言って、玄関へ向かう。
俺たちもしじじぃについて行った。

「こんばんわー!お迎えにあがりましたー!」

ムカつくほどの笑顔でやってきた、シャンクスが
どうも、どうも
と頭を下げている。

「赤髪!!貴様、教師になって更正したと思っていたら、まだこんな事やってたんか!!」

「おお!ガープさん!お久しぶりですなぁ!」

「白々しいわ!!いいか?ワシの孫達はお前のような不良にはさせんぞ!!」

「まぁまぁ、俺が不良だったのは昔の事です!今は健全な聖職者ですよ!」

「なぁにが健全な聖職者じゃ!!健全な聖職者はこんな時間に教え子を連れ出さんわい!!」

シャンクスとじじぃは昔からの知り合いというかなんというか
暴走族の総長だったシャンクスは、よくじじぃとデッドヒートを繰り広げたとか、なんとか・・・。
シャンクス曰く、じじぃは最高の鬼ごっこ相手。
じじぃ曰く、シャンクスはすばしっこい腐れクソガキ。
らしい・・・。

まるでとっつぁんと、ルパンみてぇな関係だ。



そんなじじぃと、シャンクスが言い合ってる隙に
俺たちはシャンクスのポンコツミニバンに乗り込んだんだ。

「こりゃ!!!待たんか!!!」

「すいませーん!そういうことなんで!」

「赤髪ぃいいい!!!!貴様ーー!!」

怒り狂うじじぃの怒号が響いた。

「だっははは!!エース!ルフィ!お前らのじいさんは相変わらずだな!!」

シャンクスが運転しながら大爆笑している。

「そうなんだ!!シャンクスなんとかしてくれよぅ!」

「俺にも無理だな!あのじいさんは誰にも止められん!」

助手席のルフィはシャンクスに、じじぃの文句をブツブツ愚痴ってる。

「お、おじいちゃん大丈夫?かなり怒ってたよ?」

隣に座る瑠璃が心配そうに俺を見上げた。

「あー。大丈夫だろ。多分な」

帰ってからが怖いが、まぁなんとかなるだろ。
そんな俺の真後ろから、ゲフッていう
でけぇゲップが聞こえた。
後ろを振り替えれば、後部座席で1,5リットルのコーラを飲んでる霊美と目があう。

どこぞのワイルド芸人じゃあるまいし・・・
ってかお前、そのコーラどっから出した?

そんな霊美がニヤリと笑って

「ワイルドだろぅ?」

って言った。

うるせぇよ。


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