「瑠璃」

「ん?」

テレビの乾いた笑いが響く中、俺が口を開く。

「お願いがあんだけど、いいか?」

「なぁに?」

「明日から、俺に弁当作ってくれよ」

「え?私が作ったお弁当?」

「おぅ。俺、毎日瑠璃が作った弁当食いてぇし。・・・その、お前が面倒じゃなきゃの話だけど・・・」

「いいよ!エースの為にお弁当作る!美味しくないかもだけど、残さず食べてよね?」

「残すわけねぇだろ?」

俺はそう言いながら瑠璃に口づけた。
そしてそのまま押し倒すと、瑠璃の制服を脱がしにかかる。

「ん、エース・・・」

「瑠璃・・・」

柔らかい耳たぶを甘噛みして、耳元で名前を呼べば反応する華奢な体。
そのまま首筋に舌を這わせ、下へ下へと移動する。

「ん、やぁ・・・」

「・・・もっと声出せよ」

「だめっ・・・聞こえちゃうっんん!」

もう俺の理性は崩壊する。




「っは!・・・っ瑠璃!!」

「ん、ゃあ!!だ、め!エー・・・ス!!」

丁寧な愛撫で焦らした後の瑠璃は最高にエロい。
そんな瑠璃に腰を打ち付ければ、彼女は何度も可愛い声をあげる。

「あっ!んん!も、やぁ!」

「はぁっ・・!ぁっ!ぅっ!」

共に果てた俺達の荒い息が重なる。
深く口づけた唇を離し、繋がったまま瑠璃を抱き締めた。

「やぁ。エー・・・ス。抜いてっ」

「やだ。抜かねぇ」

「ん。じゃあ、アッ・・・動かないでよぉ」

涙目の瑠璃に、またもや下が熱くなるのを感じた俺はニヤリと笑った。

「・・っ。そんな顔すんな」

「だっ・・てぇ」

「第二ラウンド始めんぞ?」

「やぁっん」

もう、最高に最高な時間だ!
そしてその最高の時間が再び・・・って時に
俺の背中に刺さる視線。

おいおいおい。
まさか、
まさかとは思うが

俺は恐る恐るベッド脇の窓のカーテンをちょこっと開けた。

「・・・・」

いるよ。
しかもさっきの男だ
その男のあり得ねぇくらいでけぇ瞳が、窓からじぃっと見つめてやがる。
空気を読め!!!!
そして成仏しろ!!早めにな!!

俺はカーテンを閉めた。

それと同時にガタガタと窓が揺れ始めたんだ。

「きゃ!!何!?」

瑠璃が怯えてる。
俺はぎゅうっと彼女を抱き締め辺りを見回した。
どうやら窓だけが揺れているらしい。
なぜなら、部屋の中の物は一切揺れてねぇからだ。
ということは、あの変態覗き見幽霊が窓を揺らしてる事になる。


その時だった。
ドカン!!と開く部屋の扉。
今回ばかりはミシっていったぞ!?

扉を蹴破るのはあいつしかいねぇ。
そう。そこに現れたのは
おにぎりモシャモシャ食ってる天パー。
つか、お前まだおにぎり食ってんのかよ!!

「きゃ!!」

瑠璃は咄嗟に布団へ潜る。
俺だって裸なわけで・・・
っていうか真っ最中なわけで・・・

そんな真っ裸な俺達なんかに目もくれず
霊美は驚く事に
俺達がいるベッドの上にズカズカッと乗ったかと思うと、シャッとカーテン全開にしやがった。
しかも窓まで開けて、ニヤリと笑う。
男の幽霊も、この天パーには驚いているようだ。

「こらこら。いたいけな若い二人の邪魔しちゃあいけないよ?」

霊美はそう言って、海苔の代わりにお札で巻かれたおにぎりを
その野郎に向かってぶん投げたんだ。

「おにぎりが食べたいならそう言いたまえよ。ハッキリ言わない自分が悪いくせに、エース君達に八つ当たりするのは筋違いだ」

霊美はそう言って、何事もなかったかのように窓を閉め、カーテンを閉め。
スタンっとベッドから降りると
何事もなかったかのように部屋から出ていこうとする。
出口でピタリと止まり、ニヤリと振り返って笑った霊美は

「すまなかった。失礼するよ」

と・・・
一欠片もすまなかったと思ってないだろ?
って顔して扉を閉めると去っていった。

唖然とする俺の耳に、男の掠れた声が聞こえる。

ツナのおにぎり、うめぇ。

って・・・。



ふざけんじゃねぇえええ!!!
おにぎりって!!おまっ!!



そのあと、なんだか気まずくなって
第二ラウンドはやめといた。
ってことは
言うまでもねぇ。



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あとがきタイムズ

こう。イチャイチャとかニャンニャンって
書くの難しいですね(´・ω・`)
エロいエース君を目指したい。
では、読んで頂きありがとうございました!


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