リビングに戻れば、瑠璃とルフィが並んでテレビ見てた。
霊美はまだおにぎり食ってる。

「おい。そういゃあ、じじぃは今日おせぇのか?」

「じいちゃんは、今夜遅くなるってさっき電話来たぞ!」

「そうか」

霊美より厄介なじじぃが今日はいねぇ!
よし!
早速ヤるぞ!!善は急げだ!!

俺は瑠璃の手を掴むと、二階へと向かう。
そんな俺を呼び止めたのは

ルフィ。

「おおい!!エース!!今からおもしれぇのやるぞ!!一緒に見よう!!」

ルフィ。てめぇ。ルフィ。てめぇ。
空気を読め!!!!

キラキラとガキのように顔を輝かせるルフィに勝てず、俺は仕方なく登りかけた階段を下りる。
ちらりと瑠璃を見れば、
いいじゃないの!
と言ってニコリと笑っていた。


始まったのは、
恐怖の心霊映像ベスト100とかいうの。
ルフィは
すげぇええ!!って言いながらテレビに夢中だ。

俺の隣の瑠璃は、ぎゅうっと俺の手を握りしめながらも
テレビの画面を見続けている。

霊美はいつもの如くニヤニヤしてる。


明らかニセモンっぽいドッキリ映像から、よく見なきゃわかんねぇ地味な映像まで
そんな映像に、テレビの中の出演者はキャーキャー言ってやがる。

ルフィは最早
すげぇええ!!
しか言わない。

「キシシシ。ほとんどが偽物だねぇ」

霊美は映像を見て愉快そうだ。

瑠璃は俺に抱きつきながら、チラチラテレビを見て
小さく悲鳴をあげる。
可愛い奴め。ここで襲うぞ。

結局最後まで見てしまったその番組。
次の一位の映像で終了だ。

しかし、一位の映像はすげぇ地味だった。
今までのが、インパクトあるだろ?ってくらい地味。

廃墟を探索する映像の中に、一瞬手みてぇなのが映るだけ。

「なんだー。地味だな」

ルフィはつまらなそうに口を尖らせている。
そんな中、あの霊感天パーが口を開いた。

「キシシシ。こりゃ本物だねぇ」

「え?」

「霊美さん?」

「えー?これ本物なのか?すっげぇ地味だぞ!?」

俺と瑠璃は顔をひきつらせ、ルフィは相変わらず口を尖らす。

「本物さ。その証拠に・・・この手の持ち主がこの家の外で佇んでいるからね」

霊美はそう言ってカーテンの隙間を指差した。

「・・・ぅゎ」

俺は小さく声をあげた。
ルフィと瑠璃には見えてねぇその存在。
それは男で、カーテンの隙間からこちらをじぃっと見ている。

「なぁ!なぁ!何処にいるんだ!?おーい!!いるなら出てこいよー!!俺と友達になれーー!!」

ルフィが純粋な笑顔で叫んでる。
頼む。やめて。ルフィ!

その男ルフィの言葉に反応して、ニヤニヤしながらガラスに張り付き始めちゃったから!!

「キシシシ。ずいぶん強い念を持った奴だねぇ。だがこの家には入ってこれやしないだろう」

霊美は肩を揺らし笑っている。
ルフィは未だに笑顔で幽霊探してる。

俺と瑠璃は速攻二階の俺の部屋に避難した。



「・・・なんか、わりぃな」

部屋に入るなり、俺は呟くように言った。

「も、もしかして。エースのクラスに転校してきた霊感強い人って」

「あぁ。あの天パーだよ」

「あはは。やっぱりそうなんだ。そうかなぁとは思ってたんだけどね・・・」

瑠璃も俺も苦笑い。
とりあえず、ベットに腰掛け部屋にあるテレビをつけた。
テレビの中で、今流行りのワイルド芸人が
ワイルドだろぉ?って言っている。




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