次の授業はスモーカーの野郎が用事があるとかで、自習になった。
俺は腹が減っちまったから、持ってきた菓子パンの包みをあけて頬張る。

そこで俺はチラリと霊美を盗み見た。
さっきの話、何故か霊美はバツが悪そうにしていたな。
こいつの弱点を掴めるかも知れねぇ。
俺は先程の話をほじくりかえす事にしてみた。

「なぁ」

「なんだい?」

「さっきのロビンの話・・・」

俺はそこまで言いかけて言葉を飲み込んだ。

霊美の目が今までで一番怖いってくらいにニヤニヤ歪んでいるんだ。



俺はその次の言葉を出すことができねぇ。


まるでそれを聞いちゃいけないと、本能的に脳が警鐘を鳴らしてるみてぇだ。

「人にはそれぞれ過去がある。そして、それを知らないほうが良いこともある。・・・・そうだろう?エース君?」

俺は霊美の言葉に、体を強ばらせる。



ヤツはそれ以上何も言わず、俺から視線を外すと真面目に自習を始めたんだ。



俺は金縛りが解けたかのように
口の中の噛みかけのパンを再び噛み始める。




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