骸骨は見えなくなって一安心したが、俺の目には最高に不気味な幽霊達がチラチラはいる。
学校の中にも何体かいて、それは俺に近づくことなく
壁へと消えていく。

休み時間になれば、サッチとサボが霊美とこの学校にまつわる七不思議的な話をしていた。

「んで一階の職員トイレにゃ、未だ巡回を続ける先公の霊が住んでるんだってよー!」

「ほう。それで終わりかい?」

「もうひとつとっておきがあるぜぇ!!こりゃ10年くらい前の話らしいんだが、この学校の女子生徒が二階から一階にかけての階段で転落死したんだと。」

「へぇ。それでどうなったんだい?」

「それは事故死ってことで片付けられたらしいんだが、実は違うんだ!その死んだ女子生徒は酷く男癖が悪かったらしくてな!親友の彼氏を寝取ってその親友に階段に呼び出され揉み合いになったんだ。そして、・・・」


「勢い余った親友がそいつをつきとばしちまったんだ。その女子生徒は階段を転げ落ち、強く頭を打ったって。親友もすぐに救急車を呼びゃあ良かったのに、怖くて逃げ出しちまったんだと。話によりゃあ直ぐに手当てすれば助かったらしいんだ。でも放置されたその女子生徒はその場で死亡。」

「ほぅ。それで?」

「その親友は、その一年後。自殺しちまったんだ。その死に方ってぇのが異常だったらしい。金槌で自分の頭を何度も叩いて、死んでたんだってそれは死んだ女子生徒の呪いだって話だぜ。」

「今もその女子生徒はこの学校を徘徊してるらしい。未だに消えない恨みを抱えてな・・・」

サッチとサボは極力不気味な顔をして、話を終わらせた。
くだらねぇ。本当にくだらねぇ。
俺は雑誌をぺらぺら捲りながらそう思った。
フランキーは
スーパー怖いぜぇ!!
って言いながら顔を青くさせている。
お前の海パンスタイルのほうがスーパー怖ぇ。

マルコは
ただの噂だろい。
とかなんとか言いながら、若干震えてやがる。
もぉこいつら全員に、出来ることならこの呪われた首飾りをプレゼントしてやりたい。

「嘘ね。そんな事実、この学校にはないもの」

そこへやってきたのはロビンだった。
頭も顔もよくて、スタイルも抜群。
結構男子に人気な存在だ。
趣味は歴史の研究で、いつも何かしらの歴史の研究している。

「んだよーー!!ロビン!!」

「うふふ。ごめんなさい。私、夏の自由研究でこの学校の歴史を研究したのよ?」

「わかんねぇじゃん!!あるかもしんねぇじゃん!!」

クスクス笑うロビンに、サッチとサボは子供のようにぎゃあぎゃあ騒ぐ。

「やぁやぁ。君は確かロビン君だったね。」

「月野辺さんは、幽霊とか信じる方なのよね?私も信じてるわ。一時期研究対象にしていたこともあるの。史実の中には幽霊に関する書物や絵が沢山残っているものよね。興味深い存在だわ」

ロビンは口元を隠しクスクスと笑う。

「それより、聞きたかった事があるの。あなたの月野辺という姓。それはあの月野辺一族と何か関係があるのかしら?」

ロビンが霊美に興味津々な視線を向ける。
それに一瞬、霊美の瞳が驚きを隠せないというかのように揺れたんだ。

「・・・さぁ。どうだろう?」

「うふふ。こんどの研究は歴史の裏に深く関わってるといわれる謎の一族。月野辺一族について調べる事にしたのよ」

ロビンはそう言って、ニコリと笑う。

「ごめんなさいね。同じ月野辺だから、何か知ってるかと思ったの。もし何か知っていたら、教えて?研究材料にしたいから」

「ロビン君。わたしは何も知らないよ。力になれなくて申し訳ない」

「いいのよ。私の方こそごめんさい」


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