「大丈夫!?も、もぉ帰ろ?エース具合悪そうだもん」

「・・・わりぃな」



瑠璃を送り届け、俺は家に着いた。
俺は、弟のルフィ、そしてじじぃと3人暮らしだ。

「ただいま・・・」

玄関で革靴を脱ぐ。
ルフィのスニーカーの横に、見知らぬ汚れたスニーカーがあるのに気がついた。
踵が潰れたそのスニーカー。
俺はものすごく嫌な予感がする。


急いでリビングにむかえば、

「エース!お帰り!!」

「遅いぞエース!今日は皆大好きすき焼きじゃ!!」

「やぁやぁ。君の家だったんだねぇ。エース君」


エプロン姿のじじぃに
すき焼きの肉ばかり頬張るルフィ
その隣にあの天パーが座って、肉をモリモリ食っていた。

「な、なんで!!なんでてめぇが俺ん家ですき焼き食ってんだよ!!」

「こりゃ!!エース!!新しい家族に対しててめぇとはなんじゃ!!」

エプロンじじぃのげんこつが俺の頭を直撃する。

「っで!!じじぃ!!なんだよ!新しい家族ってどーいうことだよ!!!」

「そのまんま意味じゃ!!そんなこともわからんのか!!あとじーちゃんと呼べ!!」

俺に本日二度目のげんこつが襲ってくる。
俺は頭を押さえて声もでない。
これはなにかの嘘だ。
悪い夢だ!!!

「ニシシッ!エース!こいつおもしれぇんだ!幽霊が見えるんだってよーー!!俺も見てみてぇーー!」

ルフィは呑気なこと言って、肉ばっか食ってる。
その横で霊美はニヤニヤ。

「ガープさん。まぁまぁ怒らないでくださいよ。」

霊美はその目をじじぃに向ける。

「聞けばエース、貴様。霊美と同じクラスになったんだって?」

「だからなんだよ!まずこの状況を説明しやがれ!!」

「霊美はワシの親戚のその従兄弟の妹の友人の子なんじゃ!」

「なんじゃそれ!!」

「実はな、霊美は訳あって全国各地を回っていたんじゃ。最近になってこの街にきたらしくてのぉ。高校はちゃんと卒業させてやらんと、親戚ずてにワシが面倒みることにしたんじゃ!」

「キシシシシ。そういう訳なんだ。エース君」

霊美はあのおっかなすぎる目でニヤニヤ笑っている。
俺は頭を抱えた。
これがじじぃの悪い癖。
頼まれると断れない。このじじぃはそういう奴だ。

学校で会うのも苦痛なのに
ひとつ屋根の下、今日から共に
この薄気味悪ぃ天パーと暮らさなきゃならない。
まさに地獄!!

ルフィは持ち前のバカさ加減で、もう霊美に慣れていやがる。

「聞いてくれよー!!俺の肩には、犬と猫の幽霊が憑いてるらしいんだ!!すげぇだろ!!」

とかなんとか。
そんなことまで言い出す始末。

「・・・俺風呂はいる」

「エース!!?飯はー!?」

「・・・いらねぇ。なんか体調悪ぃんだよ」



俺はそれだけ残してリビングを後にした。


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