目の前に現れたミラボレアス。
それは黒い漆黒の鱗を纏った
黒龍だ。
ミラルーツはそのミラボレアスの亜種だとも言われている。

破滅と厄災をもたらすその黒龍の怒りを喰らえば
世界は数日で焦土に変貌してしまうという。
その存在はやはり伝承や、伝説の中だけで語られていた。

その黒い龍の突然の登場に
一同は驚きを隠せない。


「ぎにゃあああ!!!黒龍だにゃ!ヤバイにゃ!!」

リィリィは全身の毛を逆立たせ、サッチの頭上で大騒ぎだ。

「ぎゃあああ!!でかっ!めちゃくちゃでかっ!!!いゃああああ!!」

サッチももれなく大騒ぎだ。

「人間よ。この姿に恐怖し、絶望しろ。」

ミラボレアスはそう言って牙を剥き出しにし、喉をグルグルと鳴らした。

そして凄まじい咆哮を響かせると、それに答えるように宮殿をかこむ森から数体の飛竜。
そしてそれに乗る、銀色の部下。

「へっ!呆けてる場合じゃ無さそうだな」

「グラララ!!ハデにやってやろうかぁ!!」

先手をきるように、白ひげがその拳を空間に叩きつけた。
ビキビキと割れる大気。
その間にも、マーベル率いるギルドナイトは地を蹴った。

「く、くっそ!!やってやる!!コマチ!援護頼んだぞ!うぉおおお!!!」

「はっはい!!」

ジェイクは目先のリオレウス希少種へと突っ込んでいった。
コマチはそれを援護するように銃口を向け、ターゲットに標準を合わせる。

「にゃあ!!サッチ隊長!出撃にゃ!頑張るにゃ!」

「てめぇえ!!俺のリーゼントからとりあえず降りろよ!!」

ぎゃあぎゃあ騒ぐサッチ達の元へ、一体の飛竜が舞い降りた。
風圧が二人を襲う。

「にゃああああ!!!」

「ぎゃーーー!!!」

サッチとリィリィは吹っ飛ばされそうになりながらもその風圧に耐えた。


マルコは得意の空中戦で飛竜と交戦する。
しかし、彼は気になっていた。
地上でこの戦いをただ見つめるチチカナが。
何を語るわけではないその瞳は
どこか哀しげだ。

その時だ。今まで動かなかったその彼女が、ふっと動き出す。

「チチカナが動き出した・・・。っ!!」


地上に気を取られたマルコを襲うのは
飛竜の鋭い牙。
ガチンと鳴らされた口を避けると、それに乗る銀の操縦者を狙う。





「おわわっ!!」

黄金のリオレイア希少種が放ったのは
爆裂型の火炎ブレスだった。
それはルピタの辺り一面を火の海に変える。
更には毒を持つその脚の爪で、ルピタを襲った。

「っ!!」

ルピタは回避すると、リオレイアの首に大剣を振り上げる。
しかしその振り上げた隙に、リオレイアは尾を振り回す。
その黄金の尾はちょうどルピタの脇腹にヒットした。

「っう!!」

なんとか体勢を立て直し、受け身をとったルピタの目に入ってきたのは
リオレイアが口から火球ブレスを放った所だった。

咄嗟に大剣でガードを図る。

しかし、その火の球は別の炎によりは相殺された。

「おお!エース隊長!」

「大丈夫か!?」

それはエースの炎。
リオレイアの炎を相殺した影響で、辺りには濃い煙が立ち込める。

「すんません!ありがとうございます」

「おぅ!気ぃ抜くなよ!!・・・ん?」

煙の中に揺らめく人影に、エースが目をこらした
その次の瞬間。
煙が一気に晴れてゆき、それは素早くこちらへ向かうその1人。

それは躊躇なくルピタを攻撃した。

「ルピタ!!」

エースが叫ぶ。

ギリギリとぶつかり合う、
大剣と狩猟笛。

「チチカナ!!」

ズザザザっと押される足を踏ん張って、ルピタが声を張り上げた。





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