「オヤジさぁああん!!」

「オヤジィイイ!!」

ミナガルデから離れた港街。
そこにはモビーが停泊していた。
ルピタとエースは白ひげの姿を見つけるなり、走って駆け寄っていく。

「バカ息子にバカ娘!!元気そうで何よりだ!!グラララ!」

そう言って笑う白ひげだが、すぐに異変に気づいた。

「もう一人のバカ娘はどこだ?」

「オヤジ。それは俺から説明するよい」

そこへギルドナイトの特殊部隊を連れたマルコが現れる。
さすがのギルドナイトも白ひげの存在感に圧倒され、ざわざわとざわめきが起こった。
そして白ひげに経緯を説明した。
白ひげは、ギルドナイトに視線を移し
これまた豪快に笑ったのだ。

「グラララ!分かった。うちのバカ娘救出に手ぇ貸してくれる野郎なら何人だって乗せてやるさ!」

そんな白ひげの前に、マーベルが立つ。

「また会ったな。でっけぇおっさん」

「ん?あぁおめぇさんは、あん時の」

「覚えててくれて光栄だ。すまないがまたあんたの船に邪魔する事になった。こいつらはあたしの部下達だ。至らねぇとこもあるかもしんねぇがよろしく頼む」

「グラララ!若ぇのに大将たぁ苦労するな」

「まぁ。あんたとそんな変わらねぇ歳だとは思うがな」

「・・・?」

そう言って笑うマーベルに白ひげには?マークを浮かべた。

「おめぇら!これから任務で世話になる船の船長さんだ!ちゃんと挨拶しろ!」

マーベルがそう言えば、隊員たちは綺麗に整列しバっと頭を下げる。

「そうと決まりゃ、早速出港だ!!行くぞバカ息子共ぉ!!」

白ひげの声を合図に、モビーのクルーが一斉に準備に取りかかった。
こうしてギルドナイトを乗せたモビーは
辺境の島を目指す事になったのだ。



「うぉおおお!!すげーーっ!!広い!!」

「だろ?すげーだろ?広いだろ?」

ジェイクは乗ったことも見たこともない巨大な船に感動していた。
エースは誇らしげに、にんまりと笑う。

「エースのとーちゃんの船はすげーな!!とーちゃんもデカくてすげーけどさ!」

「だろ?オヤジはすっげぇ偉大な人なんだ!俺達の世界で最強の男って呼ばれてんだぜ!」

「すっげぇええ!!じゃあエースは最強の男の息子なんだな!」

「そうだ!俺は最強なオヤジの息子だ!」

「すっげぇええ!!エースすっげぇええ!!」

そんな会話をしているエースとジェイクの元へマルコがやって来る。

「エース。オヤジが歓迎の宴するっていってるよい。準備手伝ってくれい」

「分かった!ジェイク手伝ってくれ!」

「おぅ!」


そんなモビー内で、ルピタは甲板から海を眺めていた。

「にゃ!ルピタ!」

「あ!リィリィ。どした?」

「にゃー!」

リィリィはそう言ってルピタに抱きつく。

「会えて嬉しいにゃ!もう会えないかと思ってたにゃー・・・」

そんなリィリィの頭をルピタは優しく撫でる。

「ごめんね。心配かけて。私も嬉しいよ」

そう言ったルピタの表情はどこか悲しげだ。

「・・・チチカナが心配かにゃ?」

「・・・うん。まさかこんなことになるなんて思いもしなかった」

ザザンと海が鳴く。
潮風がルピタの髪を揺らしていた。

「私。絶対チチカナを助けるよ」

「にゃ!ボクも頑張るにゃ!頑張ってチチカナを助けるにゃ!」

「そしたら、また皆で狩りに行こうね」

「にゃ!」


そんなルピタとリィリィの元へサッチがやってきた。

「おーい!お前ら黄昏てる暇あったら宴の準備手伝えー!」

にんまりと笑ったその顔に、ルピタは眉を寄せて笑う。

「やばい。サッチ隊長見てるとなんか泣けてくる」

「え!?なにそれ!?どー言う意味?サッチにぃさんが可哀想な人だから!?」

「にゃ!当たりにゃ!」

「この猫ひでぇえええええ!!!」

そんな掛け合いを懐かしむように見つめるルピタの頭に、サッチの大きな手のひらがぽんと置かれる。

「んな顔すんなよ!大丈夫。チチカナちゃんは必ず戻って来るさ!」

「サッチ隊長・・・。」

「チチカナちゃんと俺の愛はこんなことで崩れねぇ!だから安心しろ!」

「サッチ隊長。言ってることがなんか違う気がしますけど」

「にゃ!サッチ隊長はとんだ勘違い野郎にゃ!」

「この猫ひでぇえええええ!!!」






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