「っきゃああ!」
「海賊だ!!」
村人の悲鳴と共に、海賊は現れた。
それは小さな船に、五、六人という
小規模な海賊達。
グランドラインで、数々の海賊達を見てきたルピタ達にはだいぶ貧相に見える。
それでも、村人にとって銃を持つ海賊達は脅威なのだ。
「神聖な宴を邪魔する輩は、このワシが許さん。村人に手を出してみろ。ただじゃおかんぞ」
村長はそう言って立ち上がる。
ルピタとチチカナは海賊達を見つめ、酒を煽った。
ジェイクは背中に携えた双剣の柄に手をかける。
エースは海賊達に背を向け、ただもくもくと肉を頬張っていた。
「じぃさんよ。あんまりでしゃばらない方が身のためだぜ?とりあえず食料と酒だ。おとなしくそれを出せば、今日のところは帰ってやるよ」
海賊のリーダーであろう男はニヤニヤとしながら、村長に銃を向ける。
「・・・ん?」
海賊のリーダーは、見慣れぬドクロを背負うエースに目をつけた。
村長を強引に退かし、エースに近づく。
「よぉよぉ。あんちゃんよ。見なれねぇマーク背中にしょってんじゃねーか」
「・・・」
リーダーの男は、自分を無視して肉を頬張るエースの態度に苛立ったのか、こめかみに銃口を突きつけた。
「無視するたぁ、いい度胸だ。ドクロを背負ってるってこたぁ、あんたも海賊だな?」
「あぁ。そうだ。けどよ、俺はこんな陳腐なマネはしねぇな。」
エースは肉をもぐもぐしながら呟く。
「・・・俺たちはこの辺の海じゃ恐れられる存在だ。あんまり海賊なめんなよ?あんちゃん」
「・・・うるせぇよ。おめぇらみてぇなのが海賊名乗るんじゃねぇ」
エースはゴクンと肉を飲み込み、いい放つ。
「俺を怒らせたみてぇだな。見せしめに頭ぶち抜いてやるよ!!!」
男はガチャリと銃の撃鉄を起こす。
しかしエースは微動だにしない。
「エースさん!!」
「エース!!」
村長とジェイクの叫びが重なった瞬間に、銃声が鳴り響いた。
村人の悲鳴が辺りを包む。
しかし、次の瞬間
男の悲鳴がこだました。
「ひぃっ、ひぃいいい!!!なんだコイツ!!」
男は尻餅をついて、後ずさる。
ルピタとチチカナは、それを見て笑を堪えた。
「おいおい。いてぇじゃねぇかよ。・・・なんてな」
エースはそう言って、男を睨むとニヤリと笑う。
弾丸はエースの頭を貫通した。
しかし、その痕はメラメラと炎をあげている。
これには、村長とジェイク。そして村人達は顎をはずして驚いていた。
エースは立ち上がると、未だ腰が抜けて立てない男のもとへ炎を纏いながら歩んでいく。
「っ来るなぁ!!っあちぃいい!!」
「燃やされたくなかったら、二度とこの村に近づくんじゃねぇ。わかったな」
エースが男を見下ろしながらそう言えば、男とその部下達は悲鳴をあげて一目散に逃げていった。