「うぉお!!?あぶねぇ!」
「にゃあ!串刺しは嫌にゃーー!」
それを避けたリィリィとサッチは、体勢を立て直す。
「ま、まさか。エース隊長が言っていた銀色の集団かにゃ!?」
「何!?」
サッチはそれを聞くと、ギロリとその人物を睨み付ける。
そして腰に携えていた二刀を抜くと、ギラリと光る銀の刃を構えたのだ。
「てめぇらが俺の大事なチチカナちゃんを・・・許さねぇぞ!!」
「フ、フランスパンが覚醒したにゃーー!」
「リィリィ!こいつは俺がやる!お前は下がってろ!」
その言葉に、リィリィは一瞬迷いを覚えた。
しかし、震える手で背中に携えた武器を取る。
そして、ブルブルと震えながらサッチに並んだのだ。
「ボ、ボクも戦うにゃ!ボクは、ボクは!誇り高きオトモアイルーにゃ!!」
サッチはそんなリィリィにふっと笑う。
「ったく。怪我すんなよ!」
「サッチ隊長こそ!精々そのフランスパンを串刺しにされないよう気を付けるにゃ!!」
サッチとリィリィが地を蹴った。
上空の飛竜軍団は、低空飛行でモビーを責めてくる。
その飛竜に乗るのはあの銀色の集団。
「っちぃ!」
マルコは上空で舌打ちをした。
「まるで竜を操る騎士だよい!!」
繰り出されるランスによる攻撃。
そして火球ブレス。
それを回避しつつ、マルコはバッと人間の姿がへ戻ると飛竜を操るその人物を蹴り落とした。
ザバンと水飛沫をあげて沈む銀の鎧。
「大丈夫ですか!?」
下を見れば、コマチがライトボウガンで的確に飛竜を狙撃していた。
「ああ!大丈夫だよい!おめぇさんも気を付けてくれい!」
「は、はい!!」
マルコはコマチにそう言うとまた不死鳥になり、飛んでいく。
「・・・不思議な人」
コマチはその青い鳥にほうっと感嘆のため息をつきながら、ライトボウガンのスコープを覗き直した。
「うぉおおお!!」
マーベルは大剣を振り回し、低空飛行する飛竜の翼を狙う。
叩きつけられた大剣はその翼に的確なダメージを与えた。
悲鳴を上げたそれは、ドスンと落下する。
「グラララ!すげーなぁ!」
「この数じゃあキリがねぇ!」
マーベルは未だに上空を旋回する飛竜達を睨み付ける。
「しゃあねぇ。ここいらで一発決めとくかぁ」
白ひげはそう言ってニヤリと笑うと、ぐぐっと両腕を交差させる。
「おいおい。何するつもりだよオッサン」
「まぁ見てろ」
白ひげその交差された腕を、空間に叩きつけるように開いた。
その瞬間ビキビキと音を立てる。
それは大気がひび割れた音だった。
「なっ!!」
マーベルはその様に目を見開いた。
次の瞬間、ドォンという音と共に
大気が揺れる。
その衝撃波は、空を舞う飛竜の大群をおそった。
そのとてつもない衝撃波をまともにくらった飛竜軍は一気に怯み、一度に数体の巨体が海へと落下する。
「俺の船を襲うなんざ、百万年早ぇんだ。このアホンダラぁ!!」
更に白ひげは持っていた薙刀の先に能力を込めると、それを空に向かい降り下ろす。
するとまたもや物凄い衝撃波が飛竜達を襲った。
「うぉおおお!!オヤジぃい!!」
「さすがだぜ!!俺達も遅れを取るなぁ!!」
それを見たモビーのクルーの士気がぐんと上がる。
「・・・体が火で出来たメラメラ野郎に、鳥人間。さらに大将がこれかよ。超人の集まりだな」
「グラララ!!俺からしたら、その細ぇ体で飛んでくる化けもんを次々に薙ぎ倒してくおめぇさんも超人だけどなぁ!」
「はっ!そりゃ誉め言葉かい?」
「いいや。俺なりの口説き文句だ!グラララ!!」
「あっはっは!やっぱりあんたは愉快なオッサンだ!」
そんな白ひげと、マーベルは笑い合った後
構え直す。