「ルピタにチチカナじゃねぇか!!!」

その時だった。村人を掻き分け、青い鱗を施した防具を身につけた少年がやってきた。

「ジェイク!」

「お久し振りですわ」

「消息不明だって聞いてよ!!心配してたんだぞ!」

エースはその少年を見てハッとした。
それはそのジェイクと呼ばれた少年が
どことなく弟であるルフィに似ていたからだ。
あぁ。いつぞやにルピタが言っていた、あの少年だ。
エースはジェイクという名を聞いて、そんなことを思い出した。

「ん?このハイカラなあんちゃんは誰・・・」

ジェイクもエースを見て目を見開く。

「あに、き?」

「え?」

エースは突然のジェイクの発言に、間抜けな声を出してしまう。


「・・・あ、わりぃ、わりぃ!ごめんな!いきなり」

ジェイクは申し訳なさそうに笑った。

「あ、おぅ。」

エースは呆気にとられていたが、ジェイクがシシッと笑って手を差し出す。

「俺はジェイク!この村出身のハンターだ。あんたは?見ねぇ顔だけど、客か?」

「俺は、ポートガス・D・ エース。訳あってこれからこの村に世話んなることになった。よろしくな」

「珍しい名前だな!ちっちぇ村だけど、いいとこも沢山あるぞ!まぁよろしくな!」

二人は握手を交わす。

「ジェイク!戻ったら先ずはワシに挨拶せんか!!」

「お。じぃちゃん!!いたのか!!」

「ずぅっといたわい!!」

「そんなに怒んなよ。血圧あがっちまうぞ!」

そんなジェイクと村長の会話に、エースは懐かしさを感じる。

「エースさんすみません。お見苦しい所を。直ぐに宴を開きますので」

村長はそう言って頭を下げた。

「良かったっすね!エース隊長!」

ルピタがそう言って笑えば、エースも笑う。

「うぉおおっ!!すっげぇ!」

ジェイクはエースの背中を見て目を輝かせていた。

「なぁなぁ。これなんの刺青なんだ!?」

「ああ。これか?俺が所属してる海賊団のマークだ」

「海賊!?エースは海賊なのか!?」

「ああ。まぁな」

「海賊かぁ、海賊は野蛮な奴等が多いってじぃちゃんが言ってたけど・・・。エースはいいヤツそうだな!」

ジェイクは笑いながら呟く。

そんな二人の様子を、ルピタとチチカナは微笑ましく見つめた。

「ジェイクの奴。早速仲良くなってるよ」

「ウフフ。兄弟みたいですわね。」

「確かにっ。ねぇエース隊長って、少しトールさんに似てない?」

「言われてみれば、そうですわね。わたくし達は写真でしかお会いしたことありませんけど・・・きっとエース隊長みたいなお方だったんでしょうね」

「あはは。そうかもね」

そんなルピタ達にジェイクが視線を移した。

「なぁ!ルピタ、チチカナ。エースちょっと借りるぞ?この村を案内したいんだ」

ジェイクはそう言ってエースを引っ張っていく。

「チチカナ。私たちは村長を手伝おう!」

「ウフフ。そうですわね」

モガの村の空は赤く染まりはじめていた。






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