ゴポゴポと海へ落ちる。
ルピタはエースを抱えたまま沈んでいった。
それを追うように、チチカナも沈んでいく。
いきなりあの海にあらわれたナバルデウスの水流ブレス巻き込まれた三人は、意識を無くし、ただ落ちる。
海のその先へ。
ザーザーと波の音がルピタの耳を掠めた。
ゆっくりと瞳を開けば、そこには砂浜。
「っ」
まだ覚醒しきってない頭をおこし、立ち上がったルピタは周りを見渡す。
「ここ。・・・私は」
それは何となく見覚えのある光景。
そこでルピタはの頭は、はっ覚醒とした。
「モガの森っ!!」
それと同時に、チチカナが起き上がる。
「わたくしは・・・」
「チチカナっ!!モガの森だよ!私たちっ帰ってきたんだ」
チチカナは目を見開いた。
「・・・エース隊長はっ!」
ルピタは一緒にいたはずのエースの姿を探す。
しかしそれは何処にもない。
「っ!そんなっっ!」
ルピタは海岸沿いを走り出した。
「あっ!!」
ルピタは少し離れた場所で、その姿を見つける。
「エース隊長!!」
うつ伏せに倒れたエースはピクリとも動かない。
ルピタはエース仰向けにさせると、頬をペチペチと叩く。
「エース隊長!!エースっ隊長!」
ルピタは思いきりエースの腹を押す。
すると、海水をゴボッと吐き出したエースが顔を歪めた。
「っゴボッ・・がはっ!!ごほっごほっ!」
エースは体を回転させ、肘と膝を砂浜に着けると激しく咳き込む。
「っ・・はぁっ、はっ、・・・ここは?」
エースが顔をあげた。
「よかったぁ」
「お目覚めですね」
そんなエースの目に映る、見慣れた二人の姿。
そんな二人に安堵すると、エースは立ち上がる。
「俺たち、なんだかわかんねぇ島に流されちまったみてぇだな」
エースは自前のテンガロンハットについた砂を軽くほろいながら呟く。
「それが・・・」
ルピタが申し訳なさそうに眉を下げる。
「ここはわたくしたちが元いた世界ですわ」
エースはハットを被ると、怪訝そうに眉を寄せた。
「ん?どういう意味だ?そりゃあ」
「つまり、今度はエース隊長がわたくしたちの世界に何らかの理由で来てしまったってことですわ」
「・・・・・」
エースは空を見上げた。
そしてまたチチカナに視線を移す。
彼女は笑顔だ。
「嘘だろ?」
「いいえ。ここはわたくしたちがよく知るモガの森に面した海。見間違えるはずがありません」
エースは次にルピタに視線を移す。
彼女は気まずそうに視線をそらした。
「うそだろぉおおおおおおっ!!!!!!」
エースの絶叫がこだまする。