「うふふー!楽チンだなぁ」
「元気なら降りろ」
「嫌でーす。動けないでーす。」
「てめぇ。ぶん投げるぞ」
山を降りる最中。
そんな会話を繰り広げる二人にアーティアがクスリと笑った。
「あははっ。ルピタとエース君はホントに仲良しなんだね」
「ふざけんな。涼しい顔して!あんたがこれ背負ってくれよ。重いんだよ」
「なんですか?それ私が太ってるって言いたいんですか!?」
「いだだだだ!!髪を引っ張んな!!髪を!!」
「あははっ!ホントに仲良しなんだね!」
ルピタはフッと先程まで自分たちがいた雪山の中腹の方角へ視線を移した。
父さん。あのね。
私・・・。
ルピタは目を伏せる。
そして目の前にあるエースの大きな背中に視線を移した。
「ふふっ」
「なに笑ってやがる。気色悪ぃな」
「なんでもないっすよ!さぁ早く進めー!」
「てめぇ。雪ん中に埋められてぇのか?」
一同が村につけば、村民が歓声をあげた。
「よくやってくれたのぉ」
オババがシワシワな顔により一層皺を寄せて綻んだ。
「いや。僕達は援護したまでさ。全てはルピタの功績だよ」
「そ、そんなことないよ!アーティアさんとエース隊長が来てくれなかったら・・・」
「素直に喜んどけよ。バカ」
「えへへ。まぁ私にかかれば、ちょちょいのち・・・」
「やっぱ黙れ。ムカつくから」
「え!?」
そこへジェイクとコマチがやってくる。
「大丈夫だったか!?」
「お、お帰りなさい。無事でなによりです」
「おぅ。大丈夫だ!コマチこいつの手当てしてやってくれ!」
エースはそう言って背負ったルピタをドスンと乱暴に降ろす。
「いだだだだ!!オケツがぁぁあ!!」
「まぁ。見てわかる通り元気すぎるが、一応怪我の具合みてやってくれ」
エースは尻を押さえてのたうち回るルピタに視線を移した。
コマチは困惑しながらも、顔を赤らめ小さく頷いたのだった。
「さ、ルピタさん」
「ありがとー!」
ルピタはひょいと立ち上がると、そのままスタスタと歩き出す。
「てめぇ!歩けるじゃねぇか!!」
「さっきはホントに歩けなかったんですよぅ!」
ルピタはニンマリとイタズラっ子のような笑みを浮かべ
コマチと逃げるように去っていく。
「さぁ。集会所で宴を開こう!」
アーティアがそう言えば、雪の中の村が沸き立った。
極寒のルピタの故郷で
エースが見たものは、彼女の過去と
それでも前に進もうとする
彼女の背中だった。
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あとがき
2Gのポッケ村のマフモフが好きすぎて堪らない。
そのマフモフを着たエースを見てみたい。
っていう妄想が止まらない。
どうしよう←知りません
2Gをプレイしてたときマフモフで
ティガレックス行ったら
瞬殺されたのは苦い思い出です(笑)