コマチと呼ばれた少女は、びくりと肩を震わすと顔を真っ赤にしながら
ちょこちょことやってきてお湯に浸かる。
チチカナの隣へ移動すると、
小さな声で

「お、お久しぶりです」

と呟いた。


「あらあら。相変わらずですわね」

「・・・」

コマチは顔を少しあげる。
するとエースと視線がぶつかった。

「あ、俺ポートガス・D ・エースってんだ。よろし・・・」

「ひぅ!!!」

エースの自己紹介が終わる前に、コマチは真っ赤になって顔を背けた。

「あらあら。すみませんねぇ。この子は極度の人見知りなんですの」

「お、おぅ」

その時、アヒルのオモチャで遊んでいた
ルピタとジェイクがコマチに気づいた。

「わぁあ!コマチーー!久しぶり!」

「元気そうだな!!」

「ひ、久しぶり」

コマチは見慣れた二人にほんのり笑顔を見せる。

「お、笑ったな」

エースがそう言えば、コマチはハッとしてみるみるうちに真っ赤になっては
泣きそうに口をへの字に曲げた。

「あー!!エース隊長泣かせたぁ!最低!チャラ男!!」

「いや!今チャラ男関係ねぇだろ!!」

「エース!こいつはコマチっていって、村長さんの娘なんだ」

ジェイクの言葉にエースは固まる。

「え?あの村長さんは人妻なのか!?」

「え、あ。まぁそういう感じだな」

「・・・そうか。人妻なのか」

「エース隊長。なんで落ち込んでんすか?」

「・・・いや。落ち込んでねぇよ」

軽く落ち込むエースを尻目に、ルピタは小さく
ウッカリスケベェ
と呟いたのだった。


温泉を後にしたコマチを含む五人。

コマチの案内で、村で評判の食堂へとおもむいた。

「で、これからどうするんだ?」

エースが酒を煽り、呟く。

「んー。とりあえずモガの村に一旦帰らないとね」

「それじゃあロックラック観光でもしてくか?」

「いいですわね。どちらにせよ船を待つ時間がありますからね」

そこでチビチビとジュースを飲んでいたコマチが口を開く。

「いっ、行っちゃうの?」

「え?」

「せっせっかく、久しぶりに会えたから・・・もっとゆっくりしてって?それに・・・」

コマチはそう言ってエースをチラリと見ると、顔を真っ赤にしてすぐに逸らす。

それを見たジェイクはあー!!と声をあげたのだ。

「わかったぞ!!コマチ。お前エー・・・」

そこでチチカナがその手のひらで、ベチンとジェイクの口を塞ぐ。
ルピタは一連の流れを把握して、ニンマリ笑った。

「ん?なんだよ。どうした?」

エースは呑気に肉を頬張りながら三人を見つめる。

「いや。なんでもないっすよー!コマチ。わかったよ!後2日くらいは居ようと思う!」

ルピタがそう言えば、コマチは照れながらもニッコリ笑った。


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あとがき

もうユクモ村が捏造だらけ。
やってたのが結構前なので
ギルドマネージャーの口調とか色々
うろ覚えです(´・ω・`)
こんな妄想にお付き合い頂きありがとうございます!
ではまた次回で!




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