「・・・エース隊長。なにやってんすか?」
「・・しびれて動けねぇ・・」
ラギアクルスはフンッと鼻を鳴らすと、またくるくる丸まって眠る。
動けるようになったエースはムクリと体を起こすと、眠るラギアクルスを見つめた。
他にもこんなデカイ怪物達が沢山いると思うと、心なしかウキウキした。
「とまぁ、うちのラギアンはとても可愛くて、お茶目というか」
「人を感電させることがお茶目な部類に入るのか?」
「ウフフ。シャイニングマツコは短気なんですよ」
そこでルピタがチチカナに視線を移す。
「シャイニングマツコ?違うよラギアンだよ!」
「いいえ。この美しい蓄電殻の光を表す名は、シャイニングマツコ以外にありませんことよ?」
「ラギアンだよ!」
「いいえ。シャイニングマツコです」
ラギアクルスの名前を巡って言い合いになる
女ハンター二人。
ジェイクとエースは正直どうでもよかった。
「だぁから!!ラギアン!!」
「いいえ!シャイニングマツコです!」
さっきから続く言い合いに、エースがしびれを切らした。
「じゃあよ。ラギアンとマツコ合わせてラギコで良いじゃねぇか」
するとルピタとチチカナは言い合いを止めてエースに視線を移す。
「ラギコ。いい名前ですわ。強さの中に美しさも表現されていますわね」
「すっごいかっこかわいいじゃないっすか!!エース隊長はバカだけどセンスいいですね!」
「おい。さりげなく暴言吐いた奴。こっちこい」
エースの一言に終わった言い合い。
ルピタはラギアクルスのラギコを起こすと
海へ帰るように告げた。
ラギコはコクリと頭を下げ、ドスドスと体を揺らし海へと帰っていく。
そんなラギコの背中を見送り、四人は村へと帰還した。
「おーう!お前らどこいってたんだ!」
村へ帰れば、マーベルが交易船から手を振っていた。
「ちょっとモガの森にー!!」
ルピタはそう言って笑顔で手を振る。
マーベルはにぃっと笑って交易船から降りた。
「お前らこれからどうするつもりだ?」
「えーと、とりあえず明明後日の船を待ってユクモ村を目指すつもりなの」
「ユクモ村?なんだ観光でもしに行くのか?」
「ウフフ。観光も兼ねて。ユクモ村に面した渓流に用事がありますの」
するとマーベルはそうか。と言ってあることを閃いた。
「なら早ぇ方がいいだろ!ちょっと待ってろ!」
マーベルはそう言って、交易船の船長の元へ
船長と何かを話しすぐに四人の元へ戻ってきた。
「実はよ。次の渡航先はロックラックなんだ。さすがにユクモまでは送ってやれねぇが、ロックラックの港までなら行ってやる。」
「え!ほんと!?」
「ああ。船長の急ぎの用事らしくて、今日の夜には出航予定だ。どうする?」
それを聞いた四人は顔を見合せそれを速攻で了承したのだ。
「よし!んじゃあ夜までに準備しとけよ!あたしは仕事に戻る。また後でな!」
マーベルは手を振って戻っていった。
「よーし!これで明明後日くらいにはユクモ村につけるね!」
「ユクモ村は何が有名なんだ?」
エースの質問に、ジェイクが口を開く。
「ユクモ村は温泉が有名なんだ!後はうんめぇ温泉卵があるんだよ!村長さんは美人だしさー」
「うまい温泉卵に、美人がいるのか!?」
エースは美味い温泉卵と、美人という言葉に反応した。
「ウフフ。ジェイクはユクモ村でハンター修行してましたからね」
「おぅ!あっちについたら俺が観光案内してやるからな!」
ジェイクはそう言って得意気に笑った。