「あっはっは!さすがはエース隊長」
「ウフフ。あの方々の顔は傑作でしたわ」
チチカナとルピタが歓声を送る。
「すっげぇええ!!エースは魔法使いか!?」
ジェイクは目をキラキラさせて叫んだ。
村人はざわめき、エースを見つめている。
「エースさん。あんた・・・一体」
村長が恐る恐る問えば、エースはにっと笑って
「特異体質なんだ」
と放った。
それでもまだざわめく村人達を見つめ、ルピタが立ち上がった。
「大丈夫だよ。エース隊長は人をむやみに傷つける人じゃない。ちょっと燃えててビックリするかもだけどさ、この炎は皆を守るための炎だよ」
ルピタ笑ってそう言い放った。
それと共に、村人からざわめきが消えていく。
「エース!すごいな!」
ジェイクは目を輝かせて、エースの周りをくるくる回る。
「エースさん。ありがとうございました。これであの野蛮な輩は懲りたでしょう」
「礼を言われるような事はしてねぇよ」
エースは恥ずかしそうに頬を掻いた。
宴も幕を閉じ、それぞれ家に戻っていく村人達。
「ジェイク。私たちお風呂とか入ったらお前ん家いくからー」
「おぅ!分かったよ」
「エース隊長ともお話したいことがありますし、ジェイクにもお話しなければならないこともありますので」
チチカナとルピタはそう言って手を振って去っていった。
「じゃ、俺ん家に案内するよ!」
「おぅ。世話になる!」
エースとジェイクは、彼の家へとおもむいた。
「ここが俺ん家!んで此が俺の部屋!」
「すげぇな」
木と木を縄で繋げた何とも原始的なその建物は、海沿いに建てられていた。
以外としっかりとした造りその部屋からは、海が一望できる。
エースにとって絶景だ。
「まぁくつろいでくれよ。あ、これ布団な?それともベッドがいいか?」
何かと自分に気を使ってくれるジェイクが、益々ルフィに見えてしまう。
「いや。お前がベッド使えよ。俺は何処でも寝れるからな」
「そうか?なんかあったら、遠慮なく言ってくれよな!」
ジェイクはそう言って笑った。
エースは木製の棚に置かれた写真立てに目がいった。
「これ・・・」
そこに写し出されていたのは、笑顔のジェイクと自分に面影が似ている青年。
「あぁ!それ前に大きな街にいったとき、金持ちのおっさんが自前のカメラで撮ってくれたんだよ!」
ジェイクはエースから写真立てを受けとると、指をさして説明を始める。
「これが俺。んで、・・・これが兄貴。」
「へぇ。兄貴は一緒に住んでねぇのか?」
「・・・兄貴は二年前に死んじまったんだ」
エースはハッとしてジェイクに視線を移した。
ジェイクは悲しそうに笑いながら写真の中の兄を見つめる。
「兄貴もハンターだったんだ。でも、クエスト中に標的だったモンスターに殺られちまったって聞いた。戻ってきた兄貴は傷だらけだったよ」
「・・・わりぃ。無神経なこと聞いちまって」
「気にしないでくれよ。兄貴は、覚悟してたからな。ハンターになったその日から死ってヤツを」
ジェイクは静かに写真立てを棚の上に戻す。
「エースに似てるんだよ。面影が」
「あ、あぁ。確かに言われりゃ似てるよな」
「だからエースに会ったとき、思わず兄貴って言っちまって・・ごめんな!」
「・・別に構わねぇよ」
エースはそう言って目を細めた。
「俺にも弟がいるんだ。ジェイク、お前に似た弟が・・・」
「そうなのか!?」
「あぁ。多分年も同じくれぇだな」
「シシッ!なんかおもしれぇな!」
ジェイクとエースは顔を見合わせて笑う。