「世話になった。村長」

「皆さん。道中お気をつけて」

白ひげが村長に深々と礼をすれば、村長や村民も深々と礼をした。
長いようで短かったこの間にも
白ひげ海賊団という存在は、この村に深く根付いていたのだ。

「うぉおおおん!!チチカナちゅわぁあああんんん!!おれっおれぇええ忘れないがらーー!」

「うるせぇよい。そしてきたねぇよい」

鼻水と涙を振り撒くサッチをマルコがこつく。
チチカナは眉を寄せて笑うと、ぐっと唇を噛み締めた。
そして満面の笑みで笑ったのだ。

「うふふ。私も忘れませんわ。皆さんのこと・・・絶対に」

リィリィはベフベフと泣き崩れ
言葉にならない声をあげていた。

「にゃああ!!ボクは、ボクはぁっ・・・っひっぐ、お別れなんてイヤにゃあああ!!」

その横でジェイクは涙をこらえながら叫ぶ。

「エースっ!、おれ絶対に強くなる!・・・後泣かねぇ!!」

「おぅ。男なら泣くんじゃねーぞ!!ジェイク!!」

エースはそのままコマチに視線を向けた。

「コマチ!お前は少し人見知り直せよ!」

「エースっさん!!」

顔を真っ赤にして俯いたコマチは、ただ唇を噛み締め
別れを耐えるばかりだった。



「それじゃあ!出航だぁ!!」

白ひげの声と共にモビーが村を離れだす。
その時だった。
ルピタが地を蹴る。
離れ行くモビーを追うように、桟橋を走った。

そして声を張り上げて叫ぶ。


「皆さんっ!!私達は忘れません!!たとえ、たとえ生きる世界が違っても・・・!!私達は絶対に・・・」

そこで言葉は途切れた。
口をへの字に曲げ、涙を溜めたその瞳に映るのは
ぼやけたモビー。

「グララララ!!ハナタレ息子に、ハナタレ娘共よく聞け!!」

ルピタは白ひげの声にハッと顔を上げる。

「おめぇらは何処にいたって俺の可愛い娘、息子だぁ!!っ何処にいたって、家族だぁ!!それだけは覚えておけ!!!」


泣くまいと耐えていたルピタの瞳から
ぼろぼろと溢れだす涙。
それを隠すように、ルピタは片手で両目を覆うと
上を見上げて、声なき声をあげた。
どうしようもないその思いを奥歯で噛み締めるようにして
ただただ泣いた。
次第に小さくなっていったモビーは
あの光の帯の中へと消えていく。

辺りにはいつもの潮の音が残った。

「き、消えてしまいおった」

驚く村長と村民に
チチカナはフッと笑いかける。

「あの方々はいるべき場所へ帰ったのです」






再び会うその日を信じて。


二人のハンターはここから前へ歩むのだろう。




end。



あとがき

第二シーズン終わりました!
捏造あり、なんでもありな
妄想小説にお付き合い頂き
ありがとうございます!
そして皆様にお知らせです。
前々から考えていたシーズン3
連載しようと決めました!
ここまでやったら、やってみよう感覚の
突発的な感じです←え。
近々アップしますので
気になる方は是非。
では、お付き合い頂きありがとうございました!






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