「ふんふんーふん。お洗濯ー」
「ギニャアアア!!!シャンプーが目に入ったニャアアアアア!!」
ある晴れた日
甲板でリィリィを洗うルピタとチチカナ。
「たまにはお風呂入んないと、ノミがわくよー?」
「そうですわよ。こやし玉みたいな臭いがしますわ」
「それは言い過ぎニャアアアアア!」
お風呂嫌いなリィリィは、常にお風呂から逃げまとい
悪臭が半端ないと、モビーのクルーから苦情がきたため
ルピタとチチカナが責任を持って洗うという事になった。
「はぁい!キレイサッパリ!いい匂い!」
「ウフフ。毛並みもツヤツヤですわ」
「うへぇ。死ぬかと思ったニャア」
お風呂を終えたリィリィはプルプルと水分を飛ばす。
「おーい。終わったかよい」
そこへ鼻を摘まんだ
マルコ、エース、サッチがやって来る。
「あはは。終わりましたー!もう鼻摘ままなくていいですよ」
「ぷはっ。ネコがこんな臭くなると思わなかった」
「ヤベェ臭いだったからな。おいっ!リィリィ!これからは毎日風呂入れよ」
「ボクはお風呂に入らなくても、常に清潔極まりないアイルーニャ!」
「それがきったねぇっつってんだよ」
そんなモビーの甲板に霧が立ち込め始める。
「なんだ?」
「霧だニャ。エース隊長はそんなこともわからないのかニャ」
「霧なのは見りゃわかんだよ!!」
その霧はあっという間に濃くなった。
ざわざわと甲板にいたクルーがざわめく。
「まぁこのグランドラインじゃ珍しいことじゃねぇよい。」
マルコはそう言って辺りを見回した。
「グラララっ!やけに霧が出てきたなぁ」
「オヤジ!」
そこに現れる白ひげ。
その目は鋭く霧の向こう側を見つめていた。
「変な胸騒ぎがしやがるんでなぁ。」
その時だった。一人のクルーが叫ぶ。
「船です!!!霧の向こうから船がやってきます!」
「船ぇ?」
サッチは霧を見つめた。
次第にゆらゆらとその姿を現す巨大な船。
モビーと変わらぬ大きさを持つその船は
攻撃してくるわけでもなく、ただユラユラとモビーへ近づいてくる。
肉眼で確認できるほどまで接近したその船は
ボロボロで
人の気配がしてこない。
「幽霊船か?」
「なんか気味わりぃな」
クルーが口々に言うなか、一人のクルーが声をあげた。
「・・・嘘だろ!?ありゃあ、ブラックオパール号だ!!!!」
「冗談だろ!?ありぇねぇ!」
その声に、一同がざわざわとざわめく。
「グラララ。やっぱりか。」
白ひげが低く笑った。