ルピタと、チチカナ。
そしてリィリィが白ひげの船に世話になりはじめしばらく経った。

ルピタは海王類を見つけると、直ぐに海に飛び込むし
チチカナもそれにつづいてしまうし
リィリィは勝手に船内のイヌ(略)を集めて
ワンニャン隊を作るしで
ワイワイ、ガヤガヤ。

なんだかんだで楽しくやっていた。

そのうち、
ルピタには"じゃじゃ馬"
チチカナには"女神"
というあだ名がついたのだった。



「それじゃあ会議をはじめるよい」

一番隊隊長、マルコ。
二番隊隊長、エース。
四番隊隊長、サッチ。

それぞれの隊長が集まった一室。

「あの二人と一匹を、そろそろどっかの隊に入れろ。とオヤジから言われたよい」

「俺絶対チチカナちゃん!!!絶対チチカナちゃん入れるから!」

「うるせぇよフランスパン。でも、なんで俺たちなんだ?」

「今んところ、欠員してんのが俺たちの隊らしいよい」

エースとマルコはサッチに視線を移す。

「な。なんだよ。チチカナちゃんは絶対四番隊に入れるからな!!」

「サッチ。お前は、生き物係だろい?ということでリィリィを頼むよい」

「はぁあああああん!!!?俺がいつ生き物係になったんだよ!」

「今だ。今この瞬間、お前は生き物係になった」

エースとマルコは真剣な眼差しをサッチに向ける。

「認めねぇぞ!!俺はそんなの認めねぇ!!そうか。お前らだけで、俺の可愛いチチカナちゃんを食っちまう気だな!!許せん!!エロ帽子にエロパイナポー!!」

ぎゃあぎゃあ騒ぐサッチを尻目に、エースはため息をついた。

「おい。マルコ。このフランスパンどうにかしろよ。勝手にキレ始めたぞ?」

「やっぱりサッチにリィリィを押し付けるのは無理か・・・しょうがないよい」

マルコはそう言って、三枚の紙の切れ端の先端に色を塗っていく。
一枚は、赤に。
二枚目は、青に。
三枚目には、ネコの絵を描く。

それを手のひらに握りこんで隠すと、サッチの前にずいっと出した。

「くじで決めるよい。これで文句ねぇだろ?」

「のっ、望むところだっ!!絶対チチカナちゃんを引いてみせるぜ!」

サッチはゴクリと唾を飲み込んだ。

「赤がルピタ。青がチチカナ。ネコの絵がリィリィだ。一斉に引けよい?」

エースとサッチがそれを同時に引く。
サッチは目をぎゅっと瞑っている。

「あ。俺はルピタだな」

エースは先端が赤く塗られた紙をヒラヒラさせている。

「マルコ!!お前が先に見ろ!!俺は最後に見る!」

未だに目を瞑るサッチにため息を吐きながら、マルコは手元に残った紙を見る。

「チチカナだよい」

「え?」

サッチはバチリと目をあけ、自分が持つ紙を見た。


しっかりとネコの絵が描かれた紙を握り締める自分にサッチは絶叫した。


「やっぱり生き物係が向いてるんだな」

エースの呟きはサッチに聞こえない。



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