うざったらしい目覚ましをぶん投げて、あたしは目を覚ました。
軽く二日酔いな頭を軽く押さえて唸る。

「いてぇ。くそいてぇ・・・」

今日は講義もない。バイトもない。
1日ふりーだむな素敵な日だ。

そういやあ、昨日は何かあった気がする。
合コン行って、あーそうそうイケメンのタツヤだっけ?その人のメアド聞いて
あちゃー。酔っぱらっててメールすんの忘れてたわー。
後でメールしなきゃ。

そのあと・・・
何かあった気がするんだけどー

「とりあえず、みず」

あたしはベッドから降りるとふらふらと台所へ。
この間ドンキで買った、ビーズ製の暖簾をじゃらじゃらとくぐればそこはマイキッチン。


のはずだった。


「・・・・・・え」


冷蔵庫は冷凍庫と共に全開。
さらには、買いだめした食料は包だけを残し消え失せていて

真ん中にあるテーブルに座る



皿に顔を突っ込んで動かない、オレンジテンガロンハット。


「な、な、なんじゃこりゃああああ!!!!」

拝啓 松田優作様。


あたしの声は聞こえておりますでしょうか?


そうだ。思い出した。
あたしは昨夜の出来事を壮大に思い出したのだ。

夢だったら何十倍、何億倍よかっただろうか。



散乱したゴミを拾い上げ、あたしはぐるりと顔を皿に突っ込むテンガロンを観察している。

寝てるのか。
死んでいるのか。

もし死んでいたら
あたしは事情聴取されるのか。
冤罪で裁判にかけられるのか。
いいや。あたしはなにもやってない。

そんなことまで考えてしまったあたしは、とりあえず近くにあった靴べらで奴をつついてみる。
反応は、




ない。

やっぱ死んでるんだ・・・。
確実天に召されてる。

一体なぜか?
食いすぎて胃が破裂した?それとも喉に詰まらせた?
いや。自然死か。

彼の死因について模索してると、その頭がムクリと起きた。

「っギャアアアア!!!!!!」

あたしは軽く後ずさっておもっきし転ぶ。

「いってぇええええ!!」

おもっきしシンクのかどっこに頭をぶつけ、二日酔いの頭がさらに二日酔いになった。

「すまん。寝ちまったみたいだ・・・。おはよう! 」

そう言ってテンガロンが笑った。







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