「メグ・・ミ?」
「ごめんなさい。今はこうしてたいんです」
メグミの肩は小刻みに揺れていた。
「ずぅっと会いたかったんです。あなたに・・・。」
メグミは声を震わせてそう言った。
「漫画越しではありますが、ずっとあなたを見てきて・・・私はあなたを応援してきました」
「・・・」
メグミの背中をそっと撫でれば、彼女は何かがキレたように泣き出したのだ。
「向こうに帰らないで下さい!!この世界にいればっ・・・あなたは生きられる!生きていられるんです!!」
メグミの背中を撫でる手が止まった。
生きられる?
そりゃどういう意味だ?
「メグミ」
「はい」
泣き晴らした目を俺に向けたメグミは、ハッとしたように目を反らした。
「生きていられるって・・・どういう意味だ?」
「それは、その。ごめんなさい・・・あたし」
「・・・俺の未来を知ってるのか?」
「・・・・」
「俺は・・・死ぬのか?」
自分でも声が震えているのがわかった。
あの本の続きに、俺の未来が描かれている。
それを確信した瞬間だった。
「わりぃ。一人にしてくれないか?」
メグミにそう告げれば、彼女はコクンと頷いて出ていった。
シンとした空間の中にのまれるような感覚を覚える。
俺は死ぬ。
それは誰かに殺されるのか
敵船との戦闘で死ぬのか
病死なのか
原因はわからない。
わからないが、俺は海賊になった時点で死は覚悟していた。
死より怖いもの・・・
俺にはひとつある。
ルフィを残して俺は死ぬのか?
約束したんだ。
俺は絶対死なないって。
「くそっ!」
俺は頭を掻きむしる。
「絶対死なねぇ。未来なんか変えてやるさ・・・」
俺はくだらない思考を停止させる。
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