「んー・・・うぇ・・」
朝。
あたしは机に突っ伏して寝ていたらしい。
重い頭を動かせば、視線の先にエースが同じ感じでビール片手に突っ伏して寝ていた。
散乱した空き缶を手で退かす。
「やべぇ。がっこーいかなきゃ・・・」
あたしはムクリと立ち上がり、フラフラと化粧台へ。
あー頭いてぇよ・・
あたしは鏡の中の浮腫んだ自分を見つめてため息一つ。
あ。そういやあ、今日はバイトの日だった。
めんどくせぇ。
あたしは下地を塗る手をピタリと止めてエースに視線を移した。
エースにバイトのこと言ってないや。
とりあえず化粧を施し、エースを起こしてみる。
「エース。起きて」
「んー・・・」
エースは眉間にシワを寄せ身じろいだあと、ゆっくりと瞼を開いた。
「・・おう。おはよう」
「おはよ」
「今日もだいがくか?」
「うん」
「そうか・・・」
エースはムクリと起き上がり、頭をワシワシすると頭いてぇと呟く。
「あのね、エース。あたし今日バイトあるんだわ。だから帰り遅いから」
「ばいと?」
「うん。仕事の事。だから、待ってて。ご飯はてきとーに食っててかまわないから」
あたしがそう言えば、エースは不満そうに返事をした。
「じゃあね」
「おぅ。気ぃつけろよ」
ひらひら手を振るエースに、あたしは軽く手を振りかえした。
prev next
back