エースはあの量のお弁当を一人で平らげた。
そんな彼の食べっぷりは見てると気持ちがいいくらい。
「ごちそうさま!」
エースは両手をぱんっとして、頭を下げる。
「エース」
「ん?なんだ?」
「あんたの事全部話してよ」
そう言ったあたしに驚いたのか、エースは目を丸くしていた。
「聞いてくれんのか?」
「あんたは聞かなきゃわかんない事が多すぎる。」
そう言ってタバコの煙を吐けば、エースはポツポツと喋り始めた。
あたしはなんとかエースの話を理解しようと必死で耳を傾けた。
んでわかった事実を頭で箇条書きにまとめる。
・エースは海賊で、白ひげ海賊団っつう海賊に所属してるらしい。
・背中の刺青は、その白ひげ海賊団の旗のマークらしい。
・エースは海軍から五億の賞金がかけられていて、めっちゃ強い。
・ぐらんどらいんってのは、なんか色々ある怖い海域。
・さっきのお札はエースが普段使ってる通貨。
・エースは悪魔の実ってやつを食べていて、その能力が使える。まぁ正確には使えた。
・炎の力を使うから"ひけん"のエースらしい。うーんなるほど。よくわからん。
「なるほどねぇ」
あたしはまたもやタバコに火をつける。
「なぁ。レイナ。教えてくれ。ここは一体何処なんだ?能力も使えねぇし」
「うーん。じゃあよく聞いてね。エース」
あたしは一息ついて喋りだす。
「ここは日本って所で、エースが言うぐらんどらいんも、悪魔の実ってやつも、存在しないの」
「海賊はいるのか?」
「昔はいたみたいだけど、今はねぇ・・・。たまにニュースでみるけど、エースが言うような海賊じゃあないよ」
その発言に、エースはガックリ肩を落とした。
「だから今エースがいるこの日本・・・つぅかこの世界は、エースがいってるような世界じゃないんだよ」
タバコの灰がポトリと落ちた。
エースは頭を抱えて動かなくなってしまう。
「でも、ぐらんどらいんってのは聞いたことあるかもしれないのよ」
「本当か!?」
「まぁどこで聞いたか忘れたんですけどね」
あたしがそういえば、またもや動かなくなってしまうエース。
「あ。ちなみに通貨も違うしね。日本は円。あとはドルとか・・・。ユーロとか・・・。国によって違うのさ」
「国によって違うのか?俺はベリーしか知らねぇ」
「うん。そのベリーっていう通貨も存在しないしね」
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