「ルピタ・・・?こいつのこと知ってんのか!?」

青年から目を逸らさずルピタが口を開く。

「知ってるってほどじゃあありませんけど、あの戦争で私達を邪魔した・・・私達と同じ世界から来たハンターだってことぐらいなら知ってます」

エースはその言葉に目を見開くと、青年を睨む。
確かにその身なりはルピタやチチカナのような防具で固めている。
そしてその顔。
それはティーチ脱走を手助けしたとして手配されている海兵と瓜二つだということに
気づいたのだ。

「てめぇがティーチの脱走を手助けしたっつう海兵か・・・」

「え?知ってんだ!なら話早くていいや!」

青年はニンマリと笑うと、見張り台から飛び降り綺麗に着地した。

ティーチの脱走を手伝った海兵。
ということは目の前の青年が、今現在ティーチと行動を共にしている可能性が高い。
船員が武器を一斉に構えた。
それでも青年はニンマリと笑ったままルピタの元へ歩み寄る。

「てめぇ!!笑ってられんのも今のうちだ!!」

「やれ!野郎共!!」

一斉に船員が青年に襲いかかる。
振り上げられた刃は青年めがけて走った。
その瞬間。青年は携えた武器をダンッと床につけた。
バシュっという空気音をならしながらその薙刀のような武器を支えに飛び上がる。
まるでふわりと舞う羽のように、襲い来るいくつもの刃をかわしたのだ。

「野蛮だなぁ海賊ってのは・・・」

呆気にとられる船員を鼻で笑うと、青年はツカツカと歩みを開始した。

「おい。てめぇ」

それを止めたのはエースだった。
青年の前に立ち塞がりギロリと青年を見下ろす。
男にしては身長が低い青年はそんなエースを見上げて笑った。

「あんた知ってるよ。ほんとは死ぬはずだった人だ!」

まるで子どものようにけらけらと笑う青年に、エースは舌打ちを1つ。

「幾つか質問に答えてもらおうか。クソガキ」

「あんたを助けるためとかいって、戦争したねぇ?」

「てめぇは何もんだ?」

「ハハッ!やっぱ人間ってわかんねぇや!」

「ティーチとはどういう関係だ?」

「あ、俺も今は人間だった!」

会話のキャッチボールがまるでなっていない。
エースの怒りが頂点に達する。

「てめぇがシラ切るってぇなら、こっちも無理矢理吐かせるまでだ!!」

炎の拳が青年を襲った。



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