「ひゃっほぉお!!逃げろー!!」
「早く!走って!追っ手がくるわ!!」
今は無人島と化したとある島。
そこは新世界にあった。
「ひぃっ、ひぃ!もう走れねぇ」
「ウソップ!置いてくわよ!!」
この島で只今絶賛逃走中なのは
新世界でも名高いある海賊団である。
麦わらの一味。
その名を知らぬものは居ない。
修行を経て再び集結した麦わらの一味は、新たに航海を始めたばかりだった。
しかし先の戦争でサカズキが元帥に就任すると
今まで以上に海賊討伐の色が濃くなった。
海賊達は生き残りをかけ
他のものと同盟を組み
あるものは他のものに助けを求めた。
世はまさに海賊が生きにくい時代とも言える。
そんな風潮はもちろん麦わらの一味にも影響を及ぼしていた。
その証拠に現在。
スモーカー率いる海軍G5に追われている。
「あの建物に逃げ込みましょう!!」
麦わらの一味の一人であるナミが叫ぶ。
目の前にはもう使われていないであろう巨大な廃墟があった。
鉄の扉はもろく、サンジの蹴りで粉々に砕け散った。
「よしっ!扉が開いたぜ!ナミちゅわーん!ロビンちゅわーん!早くぅ!」
「うるせぇくそコックだ」
「んだとぉ!?このクソマリモ!!」
「おいおい!やめろよサンジ!ゾロ!」
「そうよ!とにかく入りましょう!!」