スモーカーはチチカナの提案に眉を寄せる。
あくまで海軍、海賊の立場。
それは協力を意味することでもある。

「あなた方海軍さんの上に掛け合っては頂けませんか?」

自分の一存では決められぬこと。
しかしこのままでは大変な事になる。
スモーカーは意を決し、船に残っていた自分の部下に
本部へそう連絡をするよう命じたのだ。

「わたくし達を本部へ。武器の類は持ちませんわ。あくまでその件について提案させて頂くと言う形で・・・」

チチカナがふわりと微笑む。

「お前らの言うことはわかった。いま部下に連絡をさせた。それと・・・」

スモーカーはポケットからあるものを取り出す。
それはあの小瓶に入った鉱石。

「これもその病に関係あるものなのか?」

チチカナとルピタはそれを見て目を見開いた。

「それを何処で!?」

「麦わらの一味の航海士が持ってたもんだ。その黒いダイヤルを製造していたとみられる施設にあったもんだそうだ」

「これは狂竜結晶・・・。簡単に言えばウィルスが凝縮され石のようになったものですわ」

「この小瓶は私達に保管させて下さい。」

ルピタ達の真剣な眼差しにスモーカーは渋りながらも首を縦に振る。

「いいだろう。話はこれで終わりだ。麦わらお前も船へ戻るぞ」

「ええ!!俺エースと同じ船がいい!ナミも連れてこいよー!」

「てめぇ。立場わかってんのか?」

「わ、わかったよ!だからその変な武器で叩くのやめてくれよ!」

こうして、白ひげ海賊団は
再び海軍本部を訪ねることとなったのだ。





「チチカナ!正気かよい!」

「ええ。大丈夫ですわ。あくまで話し合いです。相手もわかってくれると信じます」

スモーカー達が自分の船へと戻った後白ひげ海賊団は騒然とした。

「でもよ!でもよ!チチカナちゃんの血を提供だなんて!俺が許さない!!」

「サッチ。お前は少し黙ってろよい!!」

騒ぐサッチ達をよそにルピタはその小瓶に入った狂竜結晶をリィリィに見せる。

「リィリィ。どう?これ本物だよね?」

「この禍々しい輝き・・・。間違いないにゃ」

「こんなちっせぇ石ころが、病の元凶なのか?」

エースはそう言いながらその小瓶の中を転がしてみせる。

「ルピタ」

「ん?」

そんなルピタを呼んだのはチチカナだった。

「これはわたくしの予想なのですが・・・お話しておこうと思いまして」

「え?」

チチカナは少し言いにくそうに眉を下げながら話しを続ける。

「ルピタの弟だと仰っていたあのルシファさんという方・・・」

「・・・」

「昨日、あの方から発せられた狂竜ウィルスを含んだ粉塵をルピタも見ましたでしょう?」

「う、うん。まぁ」

「彼に宿る何か、いいえ。彼自身が何者なのか。ルピタには酷なことかもしれませんが・・・」

「・・・いいよ。言って」

「彼は、あのゴア・マガラそのものなのではないかと」

チチカナの言葉にルピタが目を見開く。


侵食されようとされるこの世界で
またひとつ。真実が動き出す。


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あとがき
うわぁあああ!!!
高速土下座します。
もう書いてる本人が訳わかんなくなってきてます←え?
まだまだ始まりなのにっ……もう訳わかんなくなってるとか!!
こんなんですが、お付き合い願えると嬉しいです!





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