スモーカーがそう言って煙を吐き出した。
しばらくしてルフィが口を開く。
「あの戦争の時」
そう。記憶に新しいあの頂上戦争の時の事だ。
スモーカーはその単語にピクリと眉を上げる。
「俺はエースを救出したあと、エースの仲間と一緒にいたんだ。」
「火拳の仲間?」
「ああ。名前は・・・確か。忘れた!!」
「・・・あれか。サカズキ元帥を重症に追い込んだ炎剣か?」
「そうだ!確かにあいつ燃える剣持ってた!」
スモーカーは眉間にシワをよせ
更に問い詰める。
「炎剣と今と、なんの関係があるってぇんだ」
「エースがあのマグマのおっさんに向かって行った時、二人で止めようとしたんだ」
「ほぉ?それで」
「その時、あのダイヤルから出た霧みてぇなのが俺達を取り巻いて、周りの海兵がおかしくなったんだ!!」
さっきみたいに・・・
そう呟くルフィは嘘をついてはいなそうだ。と判断したのか
スモーカーは更に話を進める。
「今の状態みてぇな海兵がお前らを襲ったと?」
「ああ。そん時微かに聞こえたんだよ。エースの仲間が言ったことが」
「炎剣が何を言ったんだ?」
「"きょうりゅうびょう"って」
「なんだそりゃあ?」
「俺もわかんねぇよ!たださっきの俺達の仲間といいスモやんの仲間といい・・・あの時にそっくりだった。俺が知ってんのはこれくれぇだ」
スモーカーはワシワシと頭を掻いて、また煙を吐き出した。
ルフィがいう
きょうりゅうびょう。という単語は聞いたこともない。
しかし、白ひげ海賊団にいる炎剣のルピタは何かを確実に知っている。
小瓶に入ったその鉱石は禍々しく、ただギラギラとスモーカーの瞳にその怪しげな光を映し出した。
「ちゅっ中将ーー!!」
その時だった。一人の海兵が伝電虫を抱えやってくる。
「伝電虫の通信が回復しました!本部からです!!」
スモーカーはそれを受け取ると
ため息混じりに答える。
「あー。こちら海軍G5スモーカー。」
『スモーカー中将無事でしたか!!そちらの状況をどうぞ!』
「麦わらのルフィ、及びその一味の一人を確保した。だがそれより大変な自体になってやがる」
『大変な自体?』
「ああ。説明しにくいんだが・・・うちの隊員数名と麦わらの一味数名が異常な状態になっちまってやがる。」
『異常な状態?と申しますと』
「あー。とにかく異常な状態だ。手っ取り早く言えば、我を忘れて暴れまくり、連れて帰れる状態じゃねぇ」
『それは・・・』
「俺も解らねぇがとにかく麦わらのルフィ及び一味1名を本部へ護送する。それと・・・」
スモーカーは一度黙って口を開いた。
「至急、きょうりゅうびょうっつうもんについて調べてくれ以上だ」
スモーカーはそう言って話を締めた。
それはルフィが話した全てを信用した瞬間でもあった。
「にししっ!スモやんはやっぱいいやつだな」
「ちょっ笑ってる場合じゃないでしょ!!皆はあんなになっちゃうしっ・・・ああっこれから先私達どうなっちゃうのよぉおお!!」
ナミの悲痛な叫びがこだまする。
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