「オヤジ!!」
そこにいたのはこの船の主。
白ひげ。
そしてナースのルーシーだった。
「オヤジさん。まだ点滴が・・・」
「いい。ルーシー。下がってろ」
白ひげはそう言ってニヤリと笑う。
「話は聞いたぜぇ?小僧。」
白ひげの眼光がルシファに向けられる。
ルシファが先程の殺気を鎮めると
辺りの闇も消え失せた。
「知ってるか小僧。この世界の海は広い。そりゃあおめぇさんが産まれた世界の海も広い。海っつうのはどこまでも偉大な存在だ。俺達人ってぇのはな皆その偉大な海の子よ」
「・・・ヒゲのおっさん。今どういう状況かわかってんの?」
「ああ。わかってるさ!おめぇさんが家族を求めてるってぇのもな」
その言葉にルシファが再び殺気を帯びた。
「家族?反吐が出るぜ!!!おい老いぼれ!!てめぇに家族を殺す苦しみ味合わせてやろうか!!」
あのどす黒いオーラは白ひげを狙っていた。
しかし白ひげは動じず、ただ薙刀を構えそれすらもかき消す。
「ちっ!さすがは白ひげ様ってところか。フフっまぁいいや。今日は挨拶ってことで!いつかあんたらが会いたくてたまらねぇだろうティーチにも会えることだろうよ」
ルシファはそういうと、その武器を手に取り再び飛び上がる。
そして海へと消えていった。
再びの静寂が訪れたモビーディック。
そこで膝をついたのはルピタだった。
「双子?弟?お母さんは私を産んで死んだって・・・父さんはどうしてっ」
そこまで言いかけて頭を抱える。
甲板の床に頭をつけ、ただ震えた。
そんなルピタの肩に手をかけようとするエースを静止したのはチチカナで
彼女は静かに首を横に振る。
そして屈むようにしてルピタに視線を合わせると部屋で休むよう促した。