つぎの日は快晴だった。
雪下ろしをする村民が額に浮かべた汗を拭う。

村の中央で焚き火をしていたオババの元へやってきたのはルーカスだった。

『おはようございます』

『おんや。おはよう。今日はいい天気だよ』

『そうですね』

ルーカスはそう言って太陽を見上げた。
久々に見た気がする青い空に、眩しい太陽。
ルーカスは目を細めると、オババに視線を戻した。

『村長さん。お願いがあります』

『なんだい?』

『村の墓地に1つ墓石を建てて頂けませんか?』

するとオババはルーカスを見上げ少し悲しそに笑った後
頷いたのだ。

村の墓地に真新しく建てられた墓石の前にルーカスは一人立っていた。
穴を掘ると、そこへリエッタの遺骨が入った樽を収める。

そして取り出したのは家族写真だった。
それを眺め瞳を閉じると
松明の火を近づける。
シジッと音を立てて角から燃えゆく家族写真。
リエッタ。
そしてルピタ
ルシファ
自分。

どんどんと黒く焦げゆくそれを瞳に焼き付け、涙で流した。


救えなかった妻へ。
恐怖してしまった我が子へ。

『俺は最低だ。父親失格だ・・・。それでもあの子を、ルピタを・・・』

その呟きは墓地に吹く冷たい風にかき消され
それと共に灰になった写真もひらひらと宙を舞う。


家族写真が全て燃えきった頃。ルーカスは瞳を開く。

彼は、
決別という名の嘘をつきとおすことを決めたのだった。


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過去編終了です!
長くなってしまった……。
というわけで夢主さんの出生秘密みたいな
感じでした!
まだまだ続きますので宜しくお願いします!


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